KamuiYu

ブラック・クランズマンのKamuiYuのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アキバシアターで試写会にて。


なんだか最近気になるアダム・ドライバーが出ている事、昔高校の先生が国語の授業で「ドゥ・ザ・ライト・シング」を扱っており、そこから何となく個人的に親近感があるスパイク・リーへの興味から応募したら見事に当選。

当選してからアカデミー賞脚色賞を受賞したのを知り、コメディタッチな潜入バディものかと思って観てました。


アメリカの差別主義などの背景しっかり知っていればもっと楽しめたのかな、と思いきや、「オーサカ=モノレール 中田 亮」さんのトークショーでしっかりと補完して頂けたので、最終的には深く理解出来ました。

黒人警官が白人になりすまして「KKK」とやりとりをし、相棒の白人が実際にKKKに潜入して捜査する、という話。


黒人に対する警察署内での差別から、随所に露骨に挿入される「ブラックパワー」と「黒人、ユダヤ人排除」の運動やり取りは、胸が痛むが、主演の黒人警官ことロン・ストールワースはどこか軽く、遅刻までしてくる憎めないキャラ。

アダムドライバー扮する相棒のフィリップ・ジンマーマンもやっぱりアダムドライバーの持つ朴訥感が抜けないからかどうも潜入してる感の緊張がどこかゆるく。


KKKを根絶するような勧善懲悪ではなくても、黒人警官が警察署内で自分の居場所を主張し、認められる事が出来る、という前向きな作品でした。





最後の3分までは。

最後の最後に挿入された実際のボルティモアの暴動の映像で頭を殴られる位の衝撃を受け、この映画が娯楽作品でありながらも現代に今だに根付いてる差別に対するアメリカの深い部分をしっかりと訴えてるのだと感じた。

ラスト、テロを未然に防いで成功した喜びからのこの映像の落差には本当に驚いた。

この最後の映像は作品が完成してから最後に挿入したらしいが、スパイク・リーはきっとこれを最初から訴え、求め、伝えたかったのかもしれない。


もう一度、歴史を勉強してから鑑賞してはみたいが、きっと最後はこの試写会の時か、それ以上に苦しくなると思う。
KamuiYu

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