ウマノホネ

ブラック・クランズマンのウマノホネのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
白人至上主義団体“KKK(クー・クラックス・クラン)”が発足したとされるのが、
映画冒頭でも触れられている南北戦争が終結した年(1865年)、
本作はそれからおよそ100年後の1979年が舞台となっています。

「ホワイトパワー」の歓声で盛り上がるKKKの儀式会場と、
「ブラックパワー」と声高に唱える、ハリー・ベラフォンテ(あの!有名な『ウィー・アー・ザ・ワールド』を世に送り出した人)も交じる黒人学生運動団体集会の、

二つの場面が交互に映される場面がとても印象的。

黒人差別の社会背景がありながら、この映画内では、直接的な暴力シーンはほとんど出てきません。
KKKの中でも過激派による学生運動主導者襲撃も自業自得な未遂で終わり、
派手な爆破という見せ方からも、全編を通してエンターテインメント作品として見ることができました。

今回の作品(物語)の中では黒人への差別問題というよりも、
黒人と白人の対立の関係を描いているように思えます。

しかし、だからこそ最後に流れされる異色の(しかし実際の)映像が、一層際立って現実的に、生々しく感じることができました。