「過去と現在をつなぐ、せつなくて不思議な"二度目の初恋"の物語」
チラシに載っている宣伝文句ですが、これを見ただけなら、正直、映画館まで見に行くことはしなかったかも…
そんな印象をハネのけて、スッキリとした気持ちになれる作品でした!
お堂から出られない生霊、大人びた女子高生、物語が結構な急展開をするのも、
劇中の登場人物が自身でも台詞で述べているように「デタラメ」なところも、
もっと小さな例ですが、元恋人が女性達に囲まれているのを見て後ろ向きに舌を出す仕草とか、
実際ではないアニメーションだからこそ、私には違和感としてでなく、物語の流れとして心地よく受け入れることができました。
一方で、舞台となる秩父の景色、学校の様子やザワつきといった何気ない風景が合間合間に入ることで、
まろやかな印象を受けます。
夢を「あきらめないで(真矢みき風)」というメッセージではない!ところや、
高校生の恋愛、そこから続く大人同士の感情、
他方で、両親を亡くした姉妹のつながりや、その各々の思い、
けっこう盛りだくさんにたくさんのことが詰め込まれて、
その実、どれも結局はボンヤリとしたところで話は終わっているような感はあるのですが、
それでも(そうして)月日は流れていく、
エンドロールの未来の写真はそういう意図ではないでしょうか。