さんぴん

アップグレードのさんぴんのレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
3.5
.
#映画備忘録 #20200725
#アップグレード
監督脚本/リー・ワネル
#Upgrade
2019/アメリカ/96分
#Amazonプライム #映画部
#映画好きな人と繋がりたい
.
@hello_takae_movie 師匠からのオススメ。
.
近未来SFアクションサスペンス。
妻を殺され、自身も脊髄を損傷し四肢麻痺に
なった主人公グレイ。しかし最先端技術により
首にAIチップを埋め込むことで体を再度
動かせるように。妻の復讐が今始まる。
.
主演にプロメテウスのローガン・マーシャル=グリーン。
共演にゲットアウトのベティ・ガブリエルが名を連ねる。
監督脚本にはSAW1作目、インシディアスの
リー・ワネル。
.
久々に見応えのあるSFを観た!(笑)
オススメされるまでは正直OUT OF眼中だった本作。
リー・ワネルが監督脚本ということで
急に興味が湧きました(笑)
SAW1作目の印象が強い監督だけど、
個人的にはインシディアスがすごい好き。
フィルモグラフィもホラー畑なこの人が
SFを撮ったんだ!と思うと興味倍増。
そして観てみたら案の定面白かった!
.
物語のほとんどは、四肢麻痺の主人公と
その体を動かす補助をするAIのステムの
いわばバディムービー。
人間である主人公とAIの会話はどこか
噛み合ってなくて、そこは笑える。
観ている最中はヴェノムだったり、
アイアンマンのジャーヴィスを思い浮かべてた。
ヴェノムがジャーヴィスの声で喋ると
言えば高確率で伝わりやすいと思う(笑)
そんな人間×AIのバディ感、巧妙な掛け合いを
楽しみつつ、妻を殺した犯人を探し出す
様子は復讐映画として楽しかった!
.
ここで本作の見どころであるアクション。
ヴェノムは体をヴェノムに任せてる時は
見た目が変わるからわかるけど、本作は
見た目はあくまで1人のため、今はAIが
体を動かしてるっていうのを表現するために
アクションシーンはカメラが固定される。
手ブレが無くて固定画面のまま90度回ったり
180度まわったり。普通は人の動きに合わせて
カメラが動く所を、その逆をすることで
拭えない違和感が生じる、それが上手いこと
機械が体を動かしてる感に繋がってて
ものすごく効果的。あと、AIが動かしてる
間はとにかく動くスピードがめちゃ速い。
だから主人公の頭はその動きについていけてない。
頭は右見てるのに、左からの攻撃を防いだりする。
こういった演出がAIとのバディ感を出してて
すごく上手いなーと感心してた。
予算3億と安い映画なので、こういったKUFUが
されているのを観ると、真面目に映画を
作ったんだなって惚れ惚れしてた(笑)
.
犯人を探し出して行くところに関しては
あれ?意外とアナログなのねと思ったけど(笑)
.
まあそんなこんなで話は進んでいき、
妻の復讐も順調に進んでいく。
間間で挟まれる、どうも何かに気づいてる
刑事との攻防も見応えあり。
バレる!?バレない!?もあれば
カーチェイスもあるしで楽しめる。
.
そしていよいよ物語も終盤。この辺から
話は意外な方向に進んでいくことに。
もう、SAW1作目を思い出さずにはいられない!
元々ホラー畑の監督だから、ちょいちょい
ホラーな演出あるのは仕方ないと思ってたけど
実はそれも全部伏線でっていう(笑)
そう、所々に見る見られるの関係が
逆転する場面だったり、あれ?この画面は
今は誰が主人公を見ているんだ?だったり。
SAW1作目のラストでもやってくれましたね、
大胆な見る見られるの関係の逆転。
インシディアスでも出てきました。
今回ももちろん出てきました!(笑)
SAWでは、オブジェ的なものと思ってたら
実は。。。 インシディアスでは、実態が
無いからあまり現実味が無いと思っていた
ものが実は。。。 今回はその融合です。
自分で制御していたと思っていた、ほんの
小さなチップが、実体が見えないから
どうしても半信半疑な存在に思ってたあいつが
じつはこの世界を動かしてたんだ!!!
あ、ここネタバレです。(笑)
正直予想できない結末ではないけど
心地よく映画を観ていたから信じたくない!
って気持ちが上回ってた(笑)
.
ラストのほろ苦さもまたいいね。
笑う犬のテリーじゃないけど、
生きてるってなんだろ?状態。
生きるって、幸せってなんだ。
実は物語序盤に示された問題提起への
アンサーにもちゃんとなっててスッキリ。
.
観終えた後は深いため息が出る映画(笑)
尺も長くないし、サクッと観れてオススメです!
さんぴん

さんぴん