エソラゴト

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのエソラゴトのレビュー・感想・評価

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ここ最近、このテの映画の副題に「はじまりの〜」や「〜のうた」(しかも皆ひらがな表記)が乱発されていて食傷気味なのはさておき、ジョン・カーニー監督作品好きは勿論のこと、音楽映画好きにとってはやはり心地良くて後味もスッキリな作品なのは間違いありませんでした。

大人になりきれない父親、大人への階段を登っている最中の娘…反発やすれ違いで微妙になりがちな関係性も、美しいメロディとそれに乗せた感情のこもった詞をもってすればそんな親娘ですら向き合わせ修復する力を持っている…正に"音を楽しむ"音楽の醍醐味なのでしょう。

ストーリー展開もこのままあれよあれよとCDデビューしスター街道まっしぐら!…な夢物語的なお話ではなく、あくまで地に足の着いた現実味のあるお話だったのも自分好みでした。…だからこそ、ライブハウスではなく手作り感満載のインストアライブを敢行した親娘2人の眩しい姿に胸が熱くなれたのかもしれません。


追記:パンフは音楽映画あるあるな正方形(シングル盤を模した形)劇中も時代に即してネット配信がメインですが、もし彼等がデビューしていたらこんなEP盤だったろうなぁと思わせてくれる遊び心溢れたパンフは、手に取って見ているだけで作品の世界観に入り込めて楽しいです♪