このレビューはネタバレを含みます
ニュータイプの設定にかまけたスピリチュアルな作品。
論理や理屈を完全度外視にしてしまったら、それはもう昭和の根性論と何ら変わらない。
物語自体はフルフロンタルになり損ねた、というひとりのキチガイが暴れなければ成立しないドタバタ劇。
そのフルフロンタルになり損ねた人物は、思想としては我々のようなオールドタイプの代弁者的で、ある種一番まともとも取れる人物であるともいえる。
そんな彼をキチガイに仕立て上げてしまうという感性でしか物語を成立させられないという所に、悲しさを抱かずにいられない。
劇中「フェネクスを手に入れれば人は死を克服できる」とか、「サイコフレームに魂を移す方法がわかれば人は死を恐れる必要がなくなる」とか、「ニュータイプの共通する特徴として彼らは死者と話ができる」といったセリフから、これはひょっとしたらこれはガンダム版人類補完計画なのかもしれない、という考えが頭をよぎる。
フェネクスを依代にサードインパクトは成った…、ということか？
まさか、ガンダムがエヴァに乗っかるなんてことないよね。
