バンガローの作品情報・感想・評価

「バンガロー」に投稿された感想・評価

Monica

Monicaの感想・評価

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3年前にアテネフランセで観て、殆ど理解できなかったけどずっと頭の片隅に残っていて、でもうろ覚えなので誰に話しても特定してもらえずモヤモヤしていた映画をついに思い出した!!ありがとうFilmarks…
なにひとつ咀嚼できてないのにこんなに印象的な映画って珍しいと思うのでまた観たい 
いち麦

いち麦の感想・評価

3.0
(特集 ベルリン派の作家たち) ウルリヒ・ケーラー監督作品。軍役から抜け出し両親不在の別荘で兄たちと過ごす青年の青臭く悶々とした心情を映し出した作品。長閑な田舎の景色を背に、起こりそうで起きず、起こらなそうで起きるイベント。
長回しに見入っていると青年と同化した様に欲求や妄想が湧き上がり、事実との境界が曖昧になる。最近気になってるデンマークの名女優トリーネ・ディアホルムも堪能できちゃったし、これは拾いものだった。
ベルリン派特集にて。

いわゆるベルリン派の監督作品ではクリスチャン・ペッツォルトとマティアス・ルートハルト作品を数本観た位で本作のウルリヒ・ケーラーは初。ルートハルトで観たのは『ピンポン』という作品だが、この『バンガロー』がその『ピンポン』とストーリーからロケーションから登場人物のキャラクターから、そして何より作品全体を覆う雰囲気というか空気感が極めて似ている。他のベルリン派作品を観ていないからあまり断定的なことは言えぬが、ある種のミニマリズム的もしくは一回りしての簡素・シンプル志向とでも言うべきものが濃厚に感じ取れ、それはベルリンの壁崩壊後のドイツの空気感ー政治やら国家やらというような大問題よりも個人の生活に密着したある意味で平凡な人々の平凡な生活を淡々と描く、という傾向があるのだろうか、などと思うんだがね。見当違いかも知らんけど。

この『バンガロー』、主人公の19歳であるパウルがドイツ国防軍の演習からの帰路でなんとなく部隊から離れ(このなんとなく、というのがキモだ。逃げようとして逃げた感はまるでない。かつドイツ国防軍の演習から抜け出す、という設定が象徴的で、行き過ぎた全体性よりも個人を優先することの分かり易いメタファーだ)家に帰る。両親は旅行中で不在、そこに兄貴とその彼女がやってきてこの三者に微妙な空気と関係性が生じていくさまを本当に「淡々と」撮っているだけなんである。サービス精神ゼロ。でかい事件は何も起きない。無益な時間がただただ流れて行くが、この何もない無益さはまた贅沢さと余裕にも繋がってもいて、この何も起きなさ加減がまた良い(細かいことはそれぞれに起こることは起こるけど。また、起きるかと思いきや起きず、あるいはいきなり何かが起きる)。技術的には特段上手くないのだが、この上手くなさ、素人臭さが新鮮さにも繋がっているのだからそこをあーだこーだ指摘することに大して意味はないだろう。あ、もちろん音楽は一切ない。

ベルリン派特集、今回はこれしか観れなかったが機会があればまた何か観てみようか。トーマス・アルスランは押さえたい。

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