KUJIRA

アラジンのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

アラジン(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

アニメのアラジンは、見たのかどうかも覚えていない。

王女とコソ泥が街で出会う。
ここで王女がコソ泥に惹かれる説得力の無さ。ここで作品の優劣が決まると言っても過言では無い、大事なスタートダッシュ。

魔法のランプを手にしたコソ泥は、1つ目の願いを「王子になる」で消費。
実際は、皆んなが王子だと思い込むだけ。
しかも架空の国。
演出は盛大だったが、効果は微妙。
何故、実在する国を選ばなかったのか不明だ。

そんな事よりも、「王が自分に王位を譲ってくれる」とか「隣の国を攻め滅ぼす」とかの方が確実。
いや、これでは王子でなく王になってしまう。
では、隣国の王の養子になれれば良いのか。

ええい、面倒臭い!
王女は王子としか結婚出来ない法律って何??
別に王でも、王族でも構わない。

他国の王子を迎え入れると言う事は、国を乗っ取られるリスクを抱える事でもある。

最後に、娘に王位を継承させた王は、「王になったら法律を変えれる」とドヤ顔。
いや、あなたが変えれば良いだけ。

王が娘の為に、法律を変えました。
王女が王になって、自分の為に法律を変えました。
世間の反応は如何に。

魔術師がランプに固執する理由が見当たらない。
王に次ぐ国のナンバー2と言うのは、実質ナンバー1と言う事。
更に、王からの信頼も厚い。
ランプなど使わなくても、権謀術数を駆使すれば充分に可能な立ち位置。
しかも、人を意のままに操る術も使える。

この魔術師が周りからどう見られているのか分からない。
王も国民に人気があるのかどうなのか。
王女ジャスミンは民衆に愛されているのか。
アラジンのコソ泥生活は悲惨なのか、自由気ままなのか。

そう言う描写が一切無い。
だから、キャラクターが薄っぺらい。

典型がジャスミン。
王子様に助け出してもらうのを待ってる20世紀プリンセスでも無く、男なんて頼り無いんだからと自分で切り拓いて行く21世紀ヒロインでも無い。
結局、彼女は何もして無い。

アラジンのキャラクターも意味不明。
心がピュアじゃないと洞窟に入れないとか言いながら、コソ泥。
善い泥棒なんて居ない。
さらに、王子の身分を偽る。
経歴詐称する善人も居ない。

ジーニーの主人だと威張り散らす。
3つしか叶えられない願いの1つを消費して、ジーニーを解放してやると、頼んでも無いのに期待させて「やっぱりお前が必要だから解放しない」
こんなジャイアンみたいな人に感情移入出来ません。


正直に言って、わざわざ実写化する意味を見出せない。

観ていて、面白いと感じる事も特に無い。
歌もあまり合わず。良かったのは3曲ぐらい。


ただ、ナオミ スコットは完璧だった。
ずっと見惚れていたい。
あのビジュアルで、あの歌声。ズルい。

ウィル スミスも頑張ってた。
冒頭から人間のウィル スミスを出して、ジーニーを人間にするとどうだのと会話を入れる事で、重大なネタバレが炸裂。

絶対ジーニー人間になるじゃん。
その願いが2個目な筈無いから、間違い無く終盤。

冒頭のシーンで、お母さんだけ顔バレしない様にしてる。
これは明らかに逆の方が良い。
あの女性は有名じゃないでしょ、多分。
侍女で出て来ても気付かないかも。
映画好きなら誰でも知ってる顔の濃い、演技もクセ強のウィル スミスこそ隠せ。

絨毯は可愛かった。
その分、猿が太々しく感じる。

何もしない虎は、出す必要無し。
誰か1人ぐらい噛まれろ。
もしくは、猫みたいに甘えろ。
KUJIRA

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