のん

七つの会議ののんのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.2
顔芸大会


ぐうたら社員という設定の野村萬斎が見るからに普通じゃない立ち振る舞いで、どう考えても裏がありすぎて、そのうちノロイとかに変身するんじゃないかとヒヤヒヤしながら観た。


『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』のスタッフ及びキャストが大集結した本作は、顔見せていどの出演も含め豪華な俳優陣がびっちりと並ぶ。ドラマだけでも50話は撮れそうな贅沢なキャスティングである。



「平成最後の企業エンターテイメント」というより「日曜劇場の総決算」の様相を呈していて、やたらと顔に近いカメラアングルや、香川照之はじめ濃い役者の皆さんの顔芸大会をこれでもかと堪能できる。


基本的に全員がオーバーなリアクションで、おそらくそこが楽しめるかどうかがカギだと思うが、個人的にはやり過ぎてコメディギリギリのラインになっている野村萬斎と香川照之のやりとりにニヤニヤしてしまった。



大企業の不正という日本中に蔓延る大問題をいま映像化したことには非常に意義があることであるし、また今の国会でもタイムリーな話題となっているので、統計不正問題の関係者は本作を必ず観るべきだろう。



扱う内容はシリアスだが、程よく和ませる要素もあったりと、エンターテイメントとして調和の取れた良作と思う。
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