イライライジャ

愛すれど心さびしくのイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

愛すれど心さびしく(1968年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

聾唖者の主人公は耳が聞こえないが誰よりも“話を聞く”。誰もが悩みを彼に打ち明け、誰もが唯一の心の拠り所とするが、誰も彼の悩みについては知る由もない。口が聞けない彼の話を聞く発想などない。

幸せになる結末を予想していたのに、その真逆になってしまった。
「優しい人」って、話を聞くだけ聞いてあげて意見を言ってこない人なのだろうか。都合の良いときだけ傍にいてくれるのが「優しい人」なのだろうか。
「優しい人」には、同様に「優しさ」を与えるべきなんだと思う。

なんであんな良い人が自殺したんだろうとよく言うが、良い人だから耐えられなかったんだ。

下宿先の少女が墓の前で呟く「あなたが好きでした」に号泣。
大人ぶって高校生と性行為をしたり、パーティを開いていたけれど、一番孤独を感じなかったのは一緒にクラシックを聴いた時間だろう。