前作から孤狼の血を受け継いだ松坂桃李が、解き放たれた鈴木亮平という狂犬と戦う話。
このシリーズ、テーマ曲がとても良い。
そして重なる二又一成のナレーションも良い。
抗争の火種は沸々とまた燃え上がろうとしていた！
藤岡弘探検隊などのナレーションをした田中信夫みたいな感じ笑
前作では新米ルーキーだった松坂桃李。
今作では完全に前作の役所広司のオーラを纏っている。風格だけが少し足りないか。やはり孤狼は孤狼でも年数が違う。
役所広司と松坂桃李でやり方も違う。
松坂桃李はスパイを使って情報を得ていく。
このスパイが村上虹郎。
今作のMVPの一人。
とにかく、文字通りスパイとして生きるには不器用なくらい真面目。しかしそれでしか男を表現できなかった切ない男。挫けることのない精神はとても尊かった。思い出すだけで切ねえ…
スパイの姉が松坂桃李の彼女で西野七瀬。泣きの演技は微妙だったがそれ以外は概ね好評。
警察側の人間は滝藤賢一と中村梅雀。
鈴木亮平とは違う意味で凶悪。やっぱり本当に怖いのは実際に合法的に権力を持っている人だよなあと震撼。
しかしそれら全てのキャラを狂犬のように食いまくるのが鈴木亮平。
敵も味方もなく全てを破壊するまで止まらないその信念は、ある種ジョーカーのような存在。
鈴木亮平はマジでビビるほどで怖い。訛りの強い広島弁の抜群。
ジョーカーのような存在ではあるが背景はそれとなく語られる。やっぱり環境がダメだとこのようなモンスターが生まれてしまうのだろうか。彼もまた、独りで生きていくしかなかった。
死に場所を探す死ねない男に引導を渡せるのは同じような狼を宿した男、松坂桃李しかいなかった。
対峙するところは松坂桃李も負けていないが、やはり鈴木亮平のほうが優勢。存在感が違いすぎる…
前作同様、落ちるところまで落ちていくのは一緒。そこからやったれ！となるのは爽快だが前作の方がよかった。今作はオリジナルのようでそこら辺が甘かったのかなぁ。
というか、後半に盛り返しがあると信じられるから見ていられるけどそうじゃなきゃ辛いわ…笑
またしても良作でした。
