たけちゃん

GODZILLA 星を喰う者のたけちゃんのレビュー・感想・評価

GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)
3.5
勝つこと、生き残ること、命繋ぐこと……


静野孔文、瀬下寛之虚 監督
虚淵玄 脚本 2018年製作
声優 宮野真守、櫻井孝宏


ようやく地元で公開となりました「GODZILLA 星を喰う者」、観て参りました( •̀ω•́ )و✧


これは見方が難しいね。
レビューに差が大きいのも頷ける( ¯−¯ )フッ
特に「ゴジラ」ファンには不評( ᵕ_ᵕ̩̩ )
でも、それは当然です!
これは「ゴジラ」映画ではありません。
GODZILLA映画なんです!

僕は第1作を観た時にゴジラ映画だと思うのを止めて、SFアニメ映画だと考えるようにしたので、そう考えてからはけっこう楽しめた。でも、第3作はさらにその先へ行っちゃったね(笑)


さて、今作は「GODZILLA」三部作の最終作なので、少し話を整理しましょう(^-^)

主人公はハルオ・サカキ、声優は宮野真守です。
ハルオの幼少期にGODZILLAから逃れて地球を後にし、20数年間宇宙を旅して来ました。しかし、移民に相応しい惑星を見つけられずに、再び地球へと戻る選択をします。そして、戻った地球時間では、既に2万年を経過していたのです。(第1作、怪獣惑星)

この映画におけるGODZILLAは地球生命体の最終形態として登場します。文明の最終的な帰結としての存在なんですよね。僕は今回観て、なんとなく「風の谷のナウシカ」を思い出しました。それもアニメ版ではなくて、原作の方ね。
人によっては、クトゥルフ神話を思い出した方もいるようです。

「風の谷のナウシカ」では、巨神兵による「火の七日間」で文明が滅びた世界のその後が描かれていました。火の七日間とは核戦争のメタファーです。それにより、人の住めない星となってしまった地球を浄化する役割を持っていたのが「腐海」でした。人を滅ぼす腐海こそが、実は地球再生のシステムでしたよね。そして、その腐海に適応したのが虫たちで、その頂点が王蟲でした。

今作のGODZILLAはまさに王蟲なんです。
物質的成長がピークを迎え、これ以上ないところまで来た人類に対してのカウンター的存在がGODZILLA。
そして、人類の不在だった期間で、地球はGODZILLAと同化し、同じ体質を持つ新たな世界へと生まれ変わっていました。
実は、GODZILLAとは、人類の敵ではあったけれども、地球の敵ではなかった。逆に、地球を守る存在だったんですね。そして、地球はGODZILLAと同じ体質を身に纏うことで、GODZILLAとの共存が可能となったんです。
地球の生き残った人類フツワ族ですら、GODZILLAは怖いけれども、嫌いではない、と。それは地震などの天変地異を恐れるのと同じ感覚なんですね。


次に、このシリーズには地球がGODZILLAに襲われた時、人類を助けてくれた他種族、他人類が登場します。

ひとつは技術的に大きな進歩をとげたビルサルド。
彼らは物凄い技術力を持っていて、技術盲信の象徴的存在なんですよね。そして、GODZILLA殲滅の最終兵器としてメカゴジラを建造するのです。そのあたりの話が、第2作「決戦機動増殖都市」になるんです。

もう一種族が、物質文明のその先へと進み、精神性の究極としての神を崇める種族エクシフ。このエクシフの神官がメトフィエス。声優は櫻井孝宏さん。

ビルサルドによるメカゴジラ・シティを用いた前作での戦いに失敗し、ビルサルドは滅びました。今作は残存する人類、エクシフ、そして、フツワ族の戦い、すなわち、GODZILLA、ギドラ、そして、モスラの戦いとなります。


ただし、ここからが問題なんですが、話が精神論、宗教論に進みすぎて、怪獣映画のカタルシスが何にもなかった……。これはつまらん(笑)
僕はそれでも理屈っぽいの嫌いじゃないので、ついて行きましたが、そうじゃない人は苦痛だったよね。
ギドラとの戦いもそうだけど、さらにモスラは……
前作終わった時に、三つ巴の戦いを期待したもんで、相当ガックリ来ました(笑)

それでも、まぁ、ラストは納得よね。
まるで、「七人の侍」の残った農民たちのようなフツワ族の姿に、「勝ったのは我々ではない」と島田官兵衛のような感想を持ち、勝つこととはこれだよな!という思いを持ちましたよ( ¯−¯ )フッ
興味があったら観てみてね( •̀ω•́ )و✧


そんなこんなで、一応見届けました(笑)
今年はやっぱり「キング・オブ・モンスターズ」に期待するしかないのかな?頼むぞGODZILLA!