えいがうるふ

銃のえいがうるふのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
3.8
近年の邦画でほぼ全編モノクロの作品は久しぶりに観た気がする。普通のカラーフィルムだったらもっと陳腐な印象になっていただろうが、作品全体の雰囲気がモノクロのおかげで2割増しぐらいになっている気がするので、多分これは正解なのだろう。
ただ、モノクロというだけで放っといても前時代感が出るうえに、登場人物が所構わずタバコを吸うのでいったいいつの話なのか捉えにくかった。今どきの学食って禁煙なのでは?・・の割にLINEでやりとりしてるし・・・ハテ?

話としては非常にシンプル。クライマックスかと思われたあるシーンの帰着などあるある過ぎる展開に鼻白んだが、エンディングはなかなか良かった。
リリー・フランキーの抑えた演技がさすが。彼と主人公の二人だけの会話シーンが一番ドキドキした。

村上虹郎、初めてちゃんとみた。非常に良い雰囲気を持っている人で、若い頃の柳楽優弥を思わせる。若いのにスタイルに出来上がった感があるのはお育ち故か。フレームに入っているだけで絵になる人だが、役者としてはまだまだこれからと言う感じ。演技をしている時はまだいいが、モノローグになると途端に稚拙な印象になる・・ということは、やはりビジュアルでかなりアドバンテージを持っている人なのだと気づく。まだ若い彼の今後の成長が楽しみ。