さんぴん

ランボー ラスト・ブラッドのさんぴんのレビュー・感想・評価

5.0
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#映画備忘録 #20200921
#ランボーラストブラッド
監督/エイドリアン・グランバーグ
脚本/マシュー・シラルニック
脚本/シルヴェスター・スタローン
#RamboLastBlood
2019/アメリカ/100分
#Amazonレンタル #映画部
#映画好きな人と繋がりたい
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1982年公開ランボーのシリーズ5作目。
家族を失ったランボーの怒りの復讐劇、
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控えめに言って最高、5億点、いや5兆点、
まずタイトルからしてね。
1作目原題「FirstBlood」に対を成す
その名も「LastBlood」、痺れます。
話の展開は親の顔より見た流れ。
身内が人身売買組織に拉致され、麻薬漬けに
され売り飛ばされそうになるのを、とても
強いお父さんが助けに行く。
中盤までは、なんだランボーもそうした
数ある作品に落ちぶれてしまったのかと
ややショックを覚えて観ていましたが。
この映画、良い!すごく!良い!
そうだよ。ランボーはそうなんだよ。
2作目以降、特に80年代後半から90年代に
かけて流行った筋肉アクション映画の流れに
飲み込まれて、そういうジャンル映画として
勘違いされることが多いランボーだけど、
1作目はめちゃくちゃアメリカン・ニューシネマ
なんだよ。ランボーは決して頭空にして
見るような筋肉アクションじゃないんだよ。
2作目、冷戦時代にあるべき強いアメリカを
描いたり、3作目、アフガンゲリラとの
共闘を描いたり、その時代時代の世界情勢、
社会問題に真正面から切り込む映画なんです。
そして、そういった一見ヒーローに見えてた
ランボーに、ちょっと待て、暴力って
こういうことなんだぞ、お前らがヒーローとして
敬ってるやつはちゃと描くとこうなんだぞと、
暴力の怖さ、結末を教えてくれたのが
4作目ランボー最後の戦場。
本作も、題材はともあれ終わり方、ラストの
スタローンの顔はアメリカン・ニューシネマの
匂いがぷんぷんする終わり方でした。
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最後の戦場以来、家族を持ち一見幸せそうに
見えるランボーも、セリフの節々で、
相手に言っているセリフでありながら、
ランボー自身の心情の吐露とも取れる発言が
あったりもして。
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おじさんは変わったわ!
いいや変わってない、蓋をしているだけだ。
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どうしたら終わらせることができるんだ。
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この辺のセリフは年老いたランボー、
御歳74歳のスタローンの老けた顔から
発せられると重みがすごくて。
1作目の、結末でおめおめと泣くことしか
できなかったランボーからの、40年の
時の流れを感じることができて思わず涙。
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もちろん、ランボー?何それ?って人にも
楽しめるようアクション映画としての
痛快さもふんだんに散りばめつつ。
おらが娘はおらが守るスタイルで1人敵地に
乗り込むランボー、そして返り討ちに合う。
やっとの思いで娘を取り戻したランボー。
だが時すでに遅く。
この辺の暗さもあって、ラストは簡潔に
言うと大人のホームアローンなんだけど、
決してカタルシスが高まって行くような
作りにはなってないと感じる。
敵倒した!ひゃっはー!乾杯!が観たいなら
エクスペンダブルズを観ればいいわけで。
今作はずしっと来る重たいパンチをもらう。
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やっぱりスタローンって人はすごい。
70歳超えてこんな映画を撮ろうと思い、
実際に撮って、演じて結果残すんだから。
それに代表的なキャラを、ロッキー、ランボーと
2つも作り上げてしまうあたり感服。
そこからのエンドロールは泣いたわもう。
エンドロールでも、ランボーはこういう映画
なんだぞ!ってまた教えてくれるし。
ロッキー、ランボー共に1度は綺麗に終えた
作品をこの時代にまた続編を作り、そして
大ヒットを飛ばす映画人としてのスタローンに
ただただ感動するばかり。
是非て欲しい1本。オススメです。
さんぴん

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