ベルサイユ製麺

パーフェクト・ワールド 世界の謎を解けのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

2.9
再生直後、嫌な予感。これロシア映画だったんですな…。
ロシア人のロジックが飛びすぎているのか、手作りウォッカが危険過ぎるのか、とにかくロシアンSFは訳分からん。始まりはこんな風。↓
薄暗い閉所で眼を覚ます主人公らしき男。ここは…どこだ…?(←この始まり方の映画、面白かった試しないけど…)
男はパトカーの中にいて、署に連行され忘れて(?)そのままになっていたとか…。…?
めんどくさいからか警官にほっぽり出された男はスマホのナビに操られ歩き始めます。
…の24時間前に遡って↓
主人公の男はキリル。彼女に捨てられたばかり。ゲームメーカーの開発チーフで、新作の打ち上げのパーティで皆の賞賛を浴びながらも何処かで浮かない風。夜遅くに帰宅すると、アパートの自分の部屋に見知らぬ女が、パックをしながら寛いでいる。「あんただれ?」「あんたこそ?」内装は一変していて、愛犬は彼女に懐いている。…ラチがあかず、結局その晩は友人宅に泊まることに。翌日改めて登録情報などを調べてみると、当たっていく側から自分の情報が消されている。それどころか人の記憶からも。両親さえも自分の事を知らないと言う…。逆上して“元”自分の部屋に押しかけると、例の女、よく見ると土屋アンナに似ている!は観ている私の感想ですが、彼女は事情を分かっているようで、彼女にコントロールされるように刃物を手に取る事になり、彼女を刺殺?してしまう。
結果警官に取り押さえられ、パトカーに押し込まれて…
…で、冒頭のシーン。ナビに導かれたどり着いたのは、郊外に立つサイロ風の塔。廃墟同然の塔の中、ボロボロのマットレスで、疲れ果て中で寝込むキリル。
目を覚ますと、塔の内装は彼の好みの落ち着いた雰囲気に変わっている。やがて、例の土屋アンナ似が現れ言うには…
☆ここから後がもうサッパリ分からんかった!!!
…なんか此処は並行世界の交差点?で、
キリルは税関の検閲官であり?、
めちゃくちゃな能力がありほぼ不死身⁇
でも塔から15キロ以上離れたらなんか骸骨みたいになるから⁇⁇
落ちついて水を飲んでね⁉️…水を。

…もう、えげつない分からなさです!!


塔から出ると、街はスチームパンク調に変化していて、以降マトリョーシカロボットと無重力バトルしたり、ビーチに行ったり、カンフーバトルしたり、宮崎アニメばりのゴツいご婦人とやっぱりバトルしたり…

…全然分からんのよ!!!こんな事ばっかりくちばしってたら公安にマークされかねない…。
その分からなさは、まるで思い出しながら語られる夢の内容。本人にはきっと面白かったのだろうけど、吾輩にはそれに付き合える度量が無いですよ(夢に自分が出てきて、それで好きになっちゃった💕の場合のみは聴きます)。

場面単位ではたまに驚くべき斬新な描写とかあるのですが、トータルで全く面白いとは思えませんでした。…反面、あたかも少年漫画のSF物が大風呂敷を広げたものの不人気で打ち切りになる、みたいなバタバタした感じは意外と好きで、思えばロシアSFはかなりの確率で、この手の“飛躍とイレギュラーの繰り返し”でどっか理解の外に行く系ばっかりで、そうなる事を分かって借りてる自分はもはやこの作風のトリコなのかも知れませんな。
今作に関して言えば、個人的にはそれ程良い評価ができなかったのですが、人によってはもっとずっと楽しめる様な気がします。…他人の夢の話を平気でずっと聞いていられる人にオススメ!あと自分の話をずっと聴いてくれる人募集中。ギャラは出せないけど、わさび味の柿ピーをあげよう!