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セクシャリティーのチェックメイトのレビュー・感想・評価

セクシャリティー(2018年製作の映画)
3.0
カリコレ2018新作。
原題はOctavio is dead(オクタビオは死んだ)
つまりサラガドン演じる娘タイラーの「父の死」から話しは始まる。
邦題が悪過ぎ。ポスターと相まってもっとエロいかと思ってたが全く違った。

ちょっと変わった父の死によってタイラーが不思議な体験をする。
最初は不審な男にちょい付きまとわれたりして、現実的なサスペンスかと思った。

サラガドンが倒錯しているというのではなく、やはり成仏できない詩人の霊と交流する不思議体験の映画とみるべきか。

おどろおどらしさはなく、いきなり父の幻影が現れて、おのれを主張する。
どこがどうという訳ではないが、一編の小説のような趣がある。そこはなかなかいい。

サラガドンが美しい。
女っぽい綺麗さではなく中性的なバージンな硬い美しさ。
最初は書店員として目立たない姿が、自分で男に見せようとして髪をテキトーにカットしてから、そのボーイッシュな格好と、どこか冷たい眼差し、気持ち目に隈のある眼窩、白い肌、青い瞳がどこか浮き世ばなれした美しさが際だってくる。
しかし結末が中途半端。
タイラーがオクタビオの秘密を知りこれから(?)というところから彼の家の処分で現実に引き戻され亡霊はいずこへ?
サラガドンの雰囲気が良かっただけに残念だ。
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