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闇動画10のshxtpieのレビュー・感想・評価

闇動画10(2014年製作の映画)
2.0
『黒い手』で、ノイズが入る直前、 Wi-Fi の調子がおかしくなって止まって、ほんとうにびっくりした。「あれっ、 Wi-Fi おかしいな」と思って、つなぎなおした瞬間に、あの歪んだ映像がガガッと始まった。あきらかにつくられた映像とはいえ、なんかある。

『浮気の現場』は並行世界というか、マルチバースものではないか。『腐臭』の後半はともかくとして(女子高生のやりとりがめちゃくちゃリアル)、前半、レポーターの女性がひゅっといなくなってテレポートするところが見事。

そして、問題の『ようすけくん』。訪ねてくる女性の相貌が、モザイクで処理されているからこそおそろしい。甲高い音声も変調されていて、余計に不気味。これがそのままの映像と音声だったら、ああはならないだろう。『霊障』の、鈴木潤の論稿によると、モザイクをかけられて「黒い穴」のようになった女の眼は「邪眼」であると。また、女の一方的な語りにさしはさまれる沈黙、扉の「ばたん」と閉められる音もおそろしい。なにより、うちの近所では、奇声を発している歩いているひとや、見るからにちょっと危なそうなひとをよく見かけるので、「ああ、こういうことは、自分の身にも起こりそうだ」という、えも言われないリアリティがある。

とはいえ、これまでに見た『闇動画』のシリーズでは、『 8 』や『 12 』の充実ぶりにくらべると、どうにも微妙か。
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