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未知との遭遇 ファイナル・カット版のshxtpieのレビュー・感想・評価

2.5
かったるくて、何度か寝落ちしてしまって、一度に全編を見られなかった(何日かかかった)。スティーヴン・スピルバーグのかたい生真面目なところが出ているというか、ユーモアがまったくないのだ。かたいSFであるのと同時に、サイコホラーじみた表情も見せる。

冒頭のバリーのおもちゃが勝手に動きだすシークエンスが素晴らしくて、あそこがいちばんいいと思う。ダグラス・トランブルの特殊効果は全体的にすごいと思うし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見たあとだから、金がかかっているな〜と思った。マリオネット型の宇宙人とリトルグレイはいいと思うけれど、いかにもグレイな最後の宇宙人の造形はいまいち。冒頭、スピルバーグらしいマクドナルドやシェルのネオンサインが映されるのだけれど、それがUFOの光にとって代わられるというのはおもしろい。終盤の、音の会話はなんだかまぬけ(アープシンセサイザー!)。

リチャード・ドレイファスが探し求めるデビルズタワーは、原発のメタファーに見えてしまう。かたちもそっくり。ラコーム博士役には、スピルバーグが憧れたフランソワ・トリュフォーが出演。アイデアやデザインはいいのだけれど、いかんせん、物語が退屈だ。

見たあとに、町山智浩の『映画の見方がわかる本』を読みかえしてしまった。リチャード・ドレイファスが追いかけるUFOやデビルズタワーは、スピルバーグにとっての映画なのだ。たしかに、かなり宗教っぽい。なるほどな〜。
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