エルトン・ジョンの輝かしい功績やその裏で抱える苦悩に満ちた半生を、彼の素晴らしい楽曲達にのせて描いたミュージカル作品。
恥ずかしながら、私自身はこれまでエルトン・ジョンの楽曲に触れる機会がほとんどなく、きちんと聞いたことがある曲も有名な「Your Song」くらいでした。
そんな私でも、劇中の彼の心情と重ねて流れてくる数々の楽曲に、感情を揺さぶられて泣きそうになった。
音楽ってすごい。
直感的に、感覚的に、心に入ってくる。
そして何より、タロン・エガートンの歌声が抜群に良かった！
「SING」でも歌上手いなぁって思ったけど、本作ではとっても心地良い歌声が素晴らしい楽曲と相まって、作品を彩っていました。
ただ、素直に最後まで楽しめたかというと、気になるところも。
楽曲シーンは曲や歌の良さで気持ちが昂って楽しめた反面、ストーリーとしては彼の半生を急ぎ足に辿っていくものであり、正直なところ詰め込みすぎた感が否めませんでした。
ラストに向かって盛り上がるわけでもなく、どこが一番の見せ場なのかがよくわからなかったというか。。。
史実に基づいた彼の半生を描きたかったのかな？
恵まれた才能と音楽で成功して、自分の在り方や周りとの関係に苦悩して、っていうのは伝わってきたけれど、じゃあその苦悩をどうやって乗り越えたのか？何がきっかけで自分を見つめ直して本当の自分を受け入れられたのかが、上手く感じとれませんでした。
事実はわからないけれど、彼の波瀾万丈な人生の中で感じた愛や葛藤、喜びが曲に表現されているからこそ、彼の音楽は素晴らしく、人々の心に響くのは間違いない。
でも、ドキュメンタリーではないエンターテイメントな映画作品として見せるなら、そこを重点的に描いたほうがより曲の重みも増すし、感動できたんじゃないかなと思います。
熱量があがりきれなくて、個人的にはちょっと物足りなくはありましたが、素敵な作品には違いなく、彼の内面や音楽の一端に触れる良い機会になりました。
素敵な時間を堪能出来て良かった！
影響されやすい私は、サントラとベストアルバムを購入したので、しばらく浸ろうと思います(*^^*)
