へたれ

斬、のへたれのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
2.9
良かったとこ1 身体のキレ
池松壮亮と前田隆成の木刀を使った殺陣は、若さを前面にかなりハードな殺陣をやっていて見応えがあった。

良かったとこ2 金属音
刀を握っているだけでも終始聞こえる、金属が物と擦れる音により、時代劇で初めて刀が実際の刃物のように痛々しく感じることができた。この映画の音の主役は間違いなく刀。

良かったとこ3 澤村という役
監督が演じる澤村という初老の侍が、見た目は七人の侍の志村喬っぽくありながら、剣に取り憑かれて狂ってしまった勘兵衛みたいな存在感。中盤で今際の際の敵に投げかけるセリフが不気味で面白かった。

ダメだったとこ1 池松壮亮の棒読みセリフ
冷静に話しているつもりなのか、あまりの棒読みっぷりに、素人レベルを通り越し無機物な感じさえしてくる。かと思えば感情が入ると邦画にありがちな叫び演技になってしまい、声を出すたびにがっかりさせられる始末。

ダメだったとこ2 アクションシーンのカメラ
手持ちカメラらしく画面がグラグラ揺れるけれど、殺陣のシーンと相性が悪い。戦争なら画面の揺れが混乱の表現に使えるが、剣の達人が悪人を倒すところで揺れてしまうと、せっかくの殺陣が台無し。何が起きたか分からない、ダメなアクションシーンになってしまっていた。
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