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ザ・ファブルのドントのレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
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2019年。それなりに面白く観れたのだけど、不満もある作品だった。凄腕の殺し屋「ファブル」が、ボスから一年、殺しナシの平凡な普通の生活を送るよう命令されて大阪へ。普通に生きようと頑張るがやはりそうはいかないわけで、世話になっている暴力団のゴタゴタに巻き込まれる。原作ほぼ未読。
邦画アクションとなればアクション充実90点&ドラマ退屈30点みてぇなのが多い中、こちらは嬉しいことにそれなりに整理された筋書きとピシッとした撮影、演技、概してサブくないギャグとギリギリやりすぎぬちょうどいい演技もあってドラマはちゃんと見れる。適宜噴出する暴力描写もちゃんと重さと圧迫感があってナイス。やったね。
ところがそのぅ、なんとビックリ、アクションが物足りない。現役俳優の中でトップクラスに動ける岡田准一と福士蒼汰を配して「この」アクションというのはいかにも素材の無駄遣いではなかろうか。ちゃんと平均点を保ってきたドラマを最後に爆発させる戦い、アクション(撮影)として、このくらいでいいのか。いやかっこいいけどさ、この2人もっと狂ったように動けるんだけどなぁ、もっと明るいところで、ガチャガチャせず、クリーンに、スマートにやれねぇもんかなぁ、とお腹が空いてるのにヨウカン一切れしか出てこない、みたいな空腹感に襲われながら観たのであった。
ノッペリした演技を淡々とこなし魅せる岡田、異様な色気を出してくる福士、暴走してない佐藤二朗など俳優陣の中で一人はっちゃけつつも破調まではさせない柳楽優弥が美味しい部分を持っていった印象。刃物と銃器の怖さがグッと出ているのもなかなかよろしい。ただやはり最高級食材の旨い部分を雑駁に料理しちゃってメインディッシュ(バトル)がもったいないことに、との気持ちは残る。いやあ、なかなかうまくいかないもんですねぇ。
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