解散を決意したバンド内の人間関係の行き詰まりを表現しているが、この子たちは感情が昂ぶると怒鳴ったり、泣き出したり、ブチ切れたり、突然キスしたりと、衝動的すぎる。感情の表出が記号的なので、微妙な心の機微が分かりにくい。普段は仲悪いと言うより単純に不機嫌キャラなだけに見えるし、ミュージシャンなのにこの子たちが見ている風景が見えてこない。
なぜ解散に至るかの説明がなさすぎるなーと思ってたら、最後の最後でなんの理由もなくバンド再結成したのでビックリ。大した意味もなくなんとなく仲直りするのなら、それまでのいざこざだって(つまり映画のすべてが)大した意味もなかったんだなで終わってしまう。確かに映画は省略の芸術だし、マイナスの美学なんだが、省略すんのはそこじゃないよ！と心の中で突っ込んだ。あと、二人ユニットなのに主題曲以外ぜんぶユニゾンてのもどうかと思った。吹替えでもいいからキレイなハーモニーが聴きたかった。二人ともずっと煙草吸ってるとこは好き。
