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闇動画14のshxtpieのレビュー・感想・評価

闇動画14(2016年製作の映画)
3.0
純粋に「幽霊」が現れるのは『義母の家』のみで、『友人の結婚』はサイコホラー/スラッシャー、『死の円環』はタイトルどおりにループもので、一種の SF ホラーといった趣。粒ぞろいの三本だった。

『義母の家』がこわいのなんのって。見事なのは、天井にぐわーっと吊り上げられるところ。 POV だとこうなるのかと感動するし、日本の狭小な住宅の中でもあれほどの恐怖と「アクション」が撮れるのかと感動した。その後はお約束として「幽霊」が現れるのだが、それがまたおそろしい。『霊障』のレビューで指摘されていた、「義母」の声の普通さはちょっとおもしろい(男の声に聞こえる)。「死んでるくせに!」。あと、『闇動画』シリーズは適度なジャンプカットがいいなと思った(浴槽に髪の毛が溜まっているシーンへのジャンプとか)。

『友人の結婚』はありがちな題材ではあるものの、話しの運びがうまい。そして、『闇動画』シリーズの常で、俳優の演技もうますぎる(というか、「トシ」が「ケイコ」にかけた電話はなんだったのか)。

とにかく見事なのが『死の円環』で、あまりにもよくできすぎているので、こわいというよりも感動した。小さな伏線をばらまいておいて、最後にすべて回収するという快感があり、見たあとの感覚はさわやかですらある。『邪教』の変奏でありつつ、まったく別物。また、ループものでありながらも、これはもはや「マルチバース・オブ・マッドネス」でもある。ここでもまた、音のあつかいが見事(左手奥からかすかに聞こえる「氷川」の叫び声よ)。「山田」が殺される際の、首元に刺さった突起は芸が細かくていい。児玉和土、おそるべし。
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