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ドクター・スリープのtetsuのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.1
力を入れすぎて、前日の夜から朝にかけてTV映画版『シャイニング』を視聴。その後、一緒に見に行くことになった映画研究部の友達と『シャイニング(北米公開版)』を観たのちに鑑賞。

あの惨劇から40年。
大人になった少年・ダニーは特殊能力である"シャイニング"を抑えながら、ひっそりと生き延びていた。
ある日、同じ能力を持つ女の子に出会った彼は彼女を狙う"謎の組織"と立ち向かうことになり...。

最初に書いた通り、鑑賞前に既に過酷な冬を2回ほど越えていたので、冗談抜きで迫り来る睡魔との戦いでした。
途中、登場人物が「眠くなってきた?」と尋ねるシーンでは自然と頷いていましたし、雪山で凍死した『シャイニング』の某登場人物みたいな顔になりながら最後まで鑑賞しましたね...。

さらに、前方から2列前の席で観ていたため、大迫力の音響に、寝そうになるたび、強制的に起こされるという悪夢。
雪山のホテルで幽霊に遭遇するより、謎の凶悪集団に追いかけられるより、実質的には、この体験の方が怖かったです。

おっと、いつものことながら、話が逸れてしまいました...。汗
率直な感想としては、名作の続編として大満足!
もちろん、ジャンルが変わっているとか、キューブリック版信者にとっては受け入れがたい部分もあるのかもしれません。
しかし、スティーヴン・キングさんによる『シャイニング』の続編小説を、スタンリー・キューブリック版の続編という形式で見事に完成させたという点は紛れもなく評価すべきですし、その上でキングさんに寄り添ったクライマックスを観ると、現在、作ることの出来うる最強の続編だったと言えるのではないでしょうか。

また、『シャイニング』の劇中で家族が抱えていた問題への"アンサー"ともとれるラストシーンも個人的には、かなり好きではあります。
近年の映画では社会的マイノリティーが描かれることが増えましたが、そのテーマに対する回答にも通ずる部分があり、今だからこそ作られるべき作品だったように感じました...。

というわけで、
「ユアンマクレガーの立ち位置、もはや『スター・ウォーズ』*じゃねぇか!笑」とか、「キューブリックの死後だから出来たよな...。」とか突っ込みたいところもないことはない作品ですが、クライマックスの激アツ展開も含め、『シャイニング』を観た方は必見の見事な続編映画でした!!

*『スター・ウォーズ』エピソードⅠ~Ⅲはユアン・マクレガーさんの代表作。
※多少、修正しました。
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