タイトルからしてわかりきっていることだが、この作品はただ祈ることの無力さや空虚さが主題であると思われる。
そんな主題もあるうえで、少年たちが人生ゲームをするシーンでは懐かしさやかわいさを感じた。そんな時間がずっと続く訳がないのが良い映画であるとわかっているのだけれど、ずっと見ていられるぐらい心地良い時間だった。
心地良さには白い雪だとか、その上に足跡を残していく鶏だとか、窓から光の差し込む古い小学校の教室だとか視覚的演出も深く関わっていると思う。
あとは小学校のなんてことないような日常のシーンがなんだか涙が出そうになるぐらいリアルに感じた。教室から廊下に出て走り出しちゃう感じとか、ねり消しを練るのに凝っているやつだとかそんなところ。思い出に囚われている。
画面の比率がスタンダードサイズであることも、そんな思い出による意義付けがあると思う。