tetsu

マチネの終わりにのtetsuのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.7
TOHOシネマズのフリーパスを発動したので、記念すべき1作目に本作を鑑賞。

共通の知り合いからの紹介で、パリの日本人ジャーナリスト・洋子と出会ったクラシックギタリスト・蒔野。
わずか一度の出会いとはいえ、運命的に惹かれあった二人だったが、そこには様々な困難が待ち構えていて...。

福山雅治が一目惚れするという予告編の時点で、「なんだ、この大人の女性向けメルヘン映画は??」とすでに胸焼けしていたものの(←トンデモ偏見ですいません)、案外、観てみたら、良かったです。笑

いやはや、実際、蓋を開けてみると、福山雅治と石田ゆり子のビジュアルの美しさ&演技力で素直に納得してしまうという荒業。
「なんて恐ろしい映画なんだ...。」と同時に「美しい映画だなぁ...。」と受け入れざるを得ない作品でした。

また、邦画とはいえ、パリの美しい街並みが絶妙に馴染んでいて、本当に画面から良い香りがするような感覚を味わったのも初めてでしたね...。(←リアル4DX。)

純愛ゆえに狂気すら感じる中盤の食事シーン(このシーンが最近観た短編『愛をたむけるよ』にそっくりだった...。←分かる人にしか分からない)のインパクトや、流暢に外国語をしゃべる伊勢谷友介というカッコよすぎる反則技など、見所を言い出したらキリがない本作ですが、個人的に最も面白かったのは同じ列にいた女性客の方のリアクションでしたね、はい...。笑
左の座席3席分ぐらい空けて横に中年夫婦が座っていたのですが、その奥さんが登場人物が過酷な運命に翻弄される度に小声で「えぇ!?」とか「うそぉ!?」と言い始めまして、その映画に対する純粋なリアクションに微笑ましさと尊うさを感じました。
(というか、まさにターゲット層の心バッチリ掴んでるじゃないですか。やはり、恐ろしい映画だ...。笑)

というわけで、切ないようでいて、後味は思いのほかスッキリとしている本作。
『LALALAND』を観て、モヤモヤを抱えた大人の女性にこそ観てほしい恋愛邦画の秀作でした。
tetsu

tetsu