ドント

マンディ 地獄のロード・ウォリアーのドントのレビュー・感想・評価

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 2018年。妻をカルト教団に殺された男のハイパー暴力復讐アクション怪奇風味の皮をサイケでガンギマリなトリッピー映像にかぶせて(逆ではない)、さらに首から上にニコラス・ケイジの顔を乗せたうわぁなんだかすごいことになっちゃったぞムービー。
 後半に行けば行くほどイッちゃってる度が加速し主人公も酒、ドラッグ、ドラッグを超えたドラッグをキメはじめちゃうのでこちらの脳汁は多少なりとも出るもののやはりしかしこれはアート的というか、ホドロフスキーやレフンという聖俗を咀嚼しなにがしかを生み出す人もいるわけなのでアートであることが悪いとは言わないがこれはちょっと端的に言うとあんま面白くないというかモゴモゴ。
 晦渋な部分が多いのである。もっとハチャメチャに、本編内だとスムージーを舐めたら世界の真実が全部見える場面のような問答無用で映像で殴ってきて文句を言わせぬようなパワーが必要である。部分的には速がある。でも全体に、速を出してない部分の退屈さがいかんともしがたい。
 ただし。そのへんのパワーはニコケイの顔面力が補っているではないかと指摘されたらまぁそうかもねと頷く。酒、ドラッグ、ドラッグを超えたドラッグをブチギメて向こう側に到達する主人公をニコケイがそれはもう大変な演技でやってくれている。他の役者ではなかなかこうは振り切れていなかったろう。そんなわけでニコラス・ケイジありがとう。
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