おかえり、ブルゴーニュへ
家族愛とワイン愛に溢れた素晴らしい作品でした💞🍷
10年ぶりに故郷ブルゴーニュへと戻ってきたジャン、稼業のドメーヌを継ぐ妹のジュリエット、別のドメーヌの婿養子となった弟のジェレミー、それぞれが互いに打ち明けられない悩みを抱えながら、葡萄造りを通じて自らの人生を見つめなおしていきます。
冒頭に映し出される、ブルゴーニュの広大な葡萄畑の四季の移ろい、様々な色を纏いながら移り変わっていく様がなんとも美しく、"葡萄の栽培からワイン製造までの1年間を丁寧に見せますよ〜"と予告しているようにも思えます。
所々に挿入される幼少期の父親との回想シーン、ワインのイロハを学ぶ兄弟の瞳は輝きを放ち、それらが日常のありふれた風景として映し出されるのがとっても新鮮に映ります。
最後の別れの後に、父親が作った特別なワインをテイスティングする3人、甘酸っぱい記憶や思い出を味わうようにゆっくりと口に含み、多くを語らずとも伝わる父親への感謝の思いがスクリーンから溢れ出て、改めて家族の固い絆を感じられる素敵なシーンでした。
そして様々な問題を抱える中、ジュリエットがドメーヌの後継者として成長する過程がとても丁寧に描かれ、それを静かに見守る兄と弟の温かい眼差しが、この作品の優しさを感じさせてくれます。
収穫祭のにぎやかな雰囲気がもう最高です!!この日ばかりはと羽目を外す3人、飲み過ぎて呂律の回らないジュリエットがとてもかわいらしく、それを揶揄うジャンとジェレミーがまるで子供みたい、童心に帰ったようなやりとりが羨ましく思えます。
ワインも人も "愛" 持って熟成させ、深みを与えていくものだ・・心に染みる言葉です😊