mimitakoyaki

mid90s ミッドナインティーズのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.0
スケボー少年たちを映したドキュメンタリー「行き止まりの世界に生まれて」とすごく似た内容の作品でした。

思春期の少年の鬱屈した思いや、認められたい、強くなりたい、仲間のイケてるお兄さんみたいになりたいって精一杯背伸びして、アカン事に手を出してみたりハメ外してみたりするんだけど、まだ子どもっぽいあどけなさや純真さもあって、淡々としながらも思春期の男の子を繊細に捉えててとても良かったです。

スケボー仲間の子達の中でも、嫉妬や羨望があったり、一番の親友が道を逸れていって距離ができたり、仲間だからこそ感じる心の機微や関係性の変化も、大人の階段をのぼる過程で出てきたりするけど、貧困や差別、虐待など、互いにそれぞれが抱えてるものも知ってるからこそ、芯の部分では分かり合え繋がっていて、いろいろあっても憎めないところも、一見ワルやってるような子でも、傷つきやすい繊細さがあり、内面にはキラっと光るものを持ってて、はたから見てるとすごく危なっかしいけど、思春期にこんな友達がいるっていいなと思いました。

スティービーの気持ちをわかってくれ、優しく受け止めてくれるレイはほんとにカッコいいし、ああいう年上の仲間の存在が、自分を軌道修正してくれたりもして、ちょっと羨ましいくらいでした。

貧困やいろんな事情を抱えて寄る辺ない子達にとっては、見下されないように、ナメられないようにと、目一杯虚勢を張って、酒やタバコ、クスリ、女の子に手を出して、強さを誇示してしまいがちなんだと思います。
そういう世界でしか生きられないしんどさもあるけど、スケボーという夢中になれるもの、得意なものがあるって、それが拠り所や救いになるんでしょうね。

90年代半ばという時代の空気もとても感じられました。

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