Netflixオリジナル作品。
★は無しで…。
「ユナイテッド93」、マットデイモンの「ボーンシリーズ」のポールグリーングラス監督作品。
私、この事件の記憶はあったんですよ。
でも、犯人が22人もの人を殺害した…と記憶していて
あれ?じゃあ別の事件なのかな?って思って、ネットで調べたけれど、このアンジュブレイビクによるテロしか出て来ませんでした。
多分、
「今のところ確認しただけで死者は22人に及び…」
というニュースを観て、記憶がストップしていたのだと思う。
え?平和そうなノルウェー で?ノルウェー 人による犯行なの?っていう記憶はありました。
2011年の7月のことですからね…。
日本は2011年3月11日に東日本大震災があったのです。
福島の原発事故も含め、国内のことでいっぱいいっぱいだった時です。
7月は被災地のかたはまだまだ…。
被災して無いところは少しずつ生活が元どおりになって来た頃ですね…。
この作品で犯人が10代の若者のキャンプ地を襲撃して、次々と撃ってゆく様子が描かれていて、
崖の下で恐怖に怯えながら隠れていた主人公のビリエルや弟や友達の恐怖を思うと、もう計り知れない恐怖だっただろうし…。
泣いていまいました。
ブレイビクは、もちろん役者さんが演じていたのですが(アンデルシュダニエルセン)本当にムナクソ悪くて、怖くて途中挫折しそうになりました。
演技が上手いのよ…。
ノルウェーの法律は余り良く分からないのですが"死刑制度"は無い国ですよね…。
(ただ、この事件で死刑制度復活の声が上がっているという記憶もありました。)
それと、犯人から指名された弁護士は"拒否権"みたいなのは無かったのでしょうか?
このブレイビクを担当したゲイル弁護士がとても常識人で良い人で、良き家庭人で良き父親なんですよ。
ブレイビクの弁護士ということで、嫌がらせ電話が掛かって来たり、娘の幼稚園から転園させて欲しいと言われたり。
前半はテロの痛ましくて緊迫した様子が描かれていて
後半はブレイビクが警察に拘留されてから裁判まで…という流れでした。
国内の混乱とかは余り描かれていなくて、
銃弾5発も受けながらも、なんとか生き伸びたビリエルくんの心や目線を通して…そしてビリエルくんの家族の苦悩を主に描いていました。
当然、フラッシュバックするし、PTSDもあるのに、生存者に対してのカウンセリングやらセミナーやらが出て来なかったこと。
敢えて時間的にカットでしょうか?
「アルカイダかな?」
のセリフ…当時は"IS"も無かった。
まさかノルウェー人による犯行とは。
極右主義…すなわち"ノルウェー という国はノルウェー 人だけのものにすべき"という思想。
犯人のブレイビクは騎士団のリーダーだと集団による犯行を匂わせますが単独犯だったこと…。
犯人ブレイビクは母子家庭なんですけれど、母子家庭であることは関係無いと思います。
いつから、そんな思想になってしまったのか…私には良く分からなかったです。
作中では描かれていたかもしれない…。
(ちなみに知人が語るには、普段の彼は心優しく明るくて良い人だったらしい…)
ビリエルくんと事件後に仲良くなるのが姉妹を撃たれてしまったアラブ系の女の子。
戦争を逃れノルウェー に住み、なんて良い国なんだろう…って思っていた。と裁判の証言台で話す。
そして、大怪我を負ったビリエルくんが裁判の証言台に立つためにツラいリハビリを頑張り、フラッシュバックして苦しんでいても、証言台に立つ!!犯人に負けたく無いという心の強さ。
もう、胸を打たれます(T_T)。
そしてビリエルくんが犯人を前にして証言台で語ったこと。
(ここは敢えてネタバレになるので書きません。)
「これからも面会に来て欲しい。」と握手を求めるブレイビクに対して、それを拒否したゲイル弁護士。
心に残ります。
欲?を言うと、もう少し国内での混乱ぶりを描いて欲しかったです。
でも、この事件を知らない人に対して、こんな事件があったと言うことを知ってもらうには、この作品は良く出来ていると思います。
労働党の青年キャンプとは言え、自分より弱い10代の若者を多く射殺した犯人の卑劣さ。
テロとは政治絡みだからテロなのですよね?
1人の人間による大量殺人では無く。
日本にもサリンのテロはあったけれど、それは集団によるテロだった。
1人の日本人が日本国内で77人も殺したという事件がもしあったとしたら…想像がついていかないです。
ノルウェー の法律では狩猟用の銃の携帯は認められていて…。
じゃあ、犯人はあんなライフルどうやって所持出来たのだろう?
ノルウェー の政治背景や軍やら、難民との関わりやら
ああ、ダメだ…ノルウェー に対して知らないことが多すぎる。
世界の難民の数6千万人…。
日本の人口の半分…。
シリアだけでも1千万人…。
どうしたら良いの?
私は自分のレビューで自分の政治思想は書かないように心掛けています。
映画のレビューと色んな考えがごちゃ混ぜになってしまいました。
今、SNSの時代。
やはり"ブレイビク信者"なるものが居るんですよね…。
そして、生存者に嫌がらせしたり…。
ちなみに、スウェーデン人監督が撮ったドキュメンタリー作品があるそうです。