アルフォンソキュアロン監督…「ゼログラビティ」しか観ておりませんが…あとハリポタも一作だけ監督として手掛けていますね。
この作品、キュアロン監督脚本、そして監督自身がカメラも回したらしいから、心の込めかたがハンパ無いですよね!!
キュアロン監督は結構な裕福な家庭で育ったんですね。
1970年代のメキシコの中流家庭を舞台に…って、いやいやいや!!
メイド(家政婦)さん2人に、運転手さんまでいたんだもの☆
映画の舞台はメキシコのローマ地区。
車のガレージがあって立派な門が閉まっている。
門構えがもう立派なんですよ?!
まあ、ガレージの床にはいつもワンコのウンウン落ちてますけれどもね(^_^;)。
そういえば、メキシコってワンコを自由に飼ってるイメージ。
この物語はキュアロン監督の子供時代の実話としていて
メキシコ原住民の2人のメイド…のうちの1人クレオに焦点を当てています。
クレオ…まだハタチぐらいなのかなー。
モノクロでBGMは一切無し。
生活の音。街の喧騒、ラジオから流れて来る曲…そんなたくさんの音たちがBGMです。
モノクロで淡々としていて、観ていて15分ぐらいでくじけそうになりましたが、そこからはグイグイ引き込まれました☆
冒頭でクレオがガレージの床を掃除していて、その時の水が排水溝に流れる音。
干した洗濯物からポタポタと垂れて来る水滴の音。
雨や雹。
そして、このパッケージ写真となっている海の波の音。
波の音がとても怖かったです(T_T)。
1970年代のメキシコって、私には全く想像出来なかったのですが、こんな感じなんだー。なるほど…。
キュアロン監督はこの街並みをどうやって再現したのだろう…。
古い車や街並み
映画館前の賑わい。映画館の前で風船やアイス売ってたり、マジックショー?みたいなのやってたり、とにかく賑やか。
メイドのクレオが少しずつ家族となってゆくところ。
4人の子供たちはみんなクレオが大好き☆
特に末っ子の弟くんとクレオの庭で寝転びながら
「死んでるから話せ無いもん。」
「死んでるのも良いかもね。」
の会話のシーンが好きです。
母方の祖母と両親…
両親は不仲で父親が余り返って来ない。
夫妻の喧嘩も目にしている。
街のデモや暴徒化。
クレオは余り感情を表に出さないのだけれど、このパッケージのシーンで初めて泣きながら、つたなく本心を言って涙するんですよ…。
家族のみんなはクレオの心の痛みの言葉は聞いていなかったけれど…。
でも、みんなで抱き合い「クレオ愛している。クレオ…クレオ…」
家の真ん前の通りに鼓笛隊が太鼓を流しながら通り過ぎてゆく。
そして、また日常の何気ない音たち…鳥のさえずりや子供たちの声…。
洗濯物籠を抱えて屋上への階段を登ってゆくクレオ。
鉄の階段をカンカンと登る音。
そして、ずっと鳥の鳴き声…。
観終わったあとの余韻が凄く長かったです。