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永遠の門 ゴッホの見た未来のsoのレビュー・感想・評価

4.0
ゴッホ伝記映画の決定版。

世界の美しさを捉えるためゴッホは命を削り死に物狂いで筆を動かす。
彼は恍惚とし、自然と一体となる。
しかし自然から離れ町へ帰るとき、彼にはもはや孤独しか残らない。
落伍者の烙印を押され、子供達からも嘲笑される。
不安と焦燥に苛まれながらも、また彼は筆をとる。
そんな不安定に緊迫した心情が、揺れ動きクローズアップされるゴッホ目線の映像や、ゴッホ役ウィレム・デフォーの耐え忍ぶような表情を通して痛いほどに伝わってくる。

やはり弟テオとのシーンには胸が熱くなるし、彼が葛藤しつつ女を買おうとする姿も、良い。
そういうところに、ゴーギャンや他の画家達にはなかなか感じられないようなどうしようもない人間味が感じられて、ゴッホの場合はそれがまた魅力なのだ。

ウィレム・デフォーは、今まで観たゴッホ映画のなかでも一番ゴッホだった。ただ、笑ったときの歯の白さだけはゴッホじゃない。
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