最後の方、お母さんが荒れる場面。あと、ん十ん年後の自分かもしれないなあ、と思って観ました。何でも自分やってきたのにそれが出来なくなる。人のお世話をしてきたのに今は人の世話になっている。そういうことを簡単に受け入れられる人なんているんだろうか。
老いていく当事者、その親を見守る娘、自分はそのどちらの気持ちにもなれる歳周り。何にもしなかったお父さんが裁縫や洗濯や掃除をこなしていく姿も印象的。
こんな極めて私的で生々しい映像を映画にして届けようとする動機はたぶん、ドキュメンタリーを仕事にしている「私」の使命感やサガなのでしょう。ただそれによって見る者はじゃあどうしよう、と考える機会をもらえる。今たまたまこの作品に出会えたことを無駄にせず、自分もいろんな意味で心の準備を少しずつ進めていくってことが必要なのかな、と思いました。
そうなんだよなあ、お父さんが言ってること。世話をしてくれてありがとう、と思えるかどうか。うちの母なんか、ヘルパーのお兄さんにいっつも「ありがとう、ありがとう。」って言ってたけど（笑）それが自然にできる人とそうでない人は確かにいるんだよなあ。おむつ履いたり、食事を介助してもらったり、私、出来るかなあ…。でも出来れば歳をとるってことを嘆いたりはしたくないな、相当難しいな。これは努力が必要だな。
