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グリーンブックのAirconのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
ヴィゴモーテンセンがパツパツのイタリア人。
ポパイみたいな、ワニみたいな。
多少粗野だけど面倒見の良いチャーミングなやつ。
骨はこうするんだよポイのシーンは王道パターンだけど、さらに追加のオチがあって面白かった。

シンプルで万人向けの観やすい映画。
王道だけどしっかり作ってある。

印象的だったのがマハーシャラアリのナイーブな黒人ピアニストが、教養豊かで視野も広い感じなんだけど、最初からちょっとこじらせてる感じの描写をしていたところ。
翡翠を盗んだところをすぐに注意したり、上位の者として描かずに、委員長と不良みたいな対等な関係だった。

いままでのバディものよりも友情や2人の信頼関係をより感じられた気がする。
割と序盤で彼のためにスタインウェイを用意させたり、最初の演奏で彼を認めるトニーの純粋さがすごく良かった。

ベタやお約束が多い話なのに1つ1つがどちらが正しいか決まってなくて、お互いの良いところは尊重するし間違いは正そうとしてあげるっていう、友情そのものを描いている時間がメインで良かった。
(物語上必要な、偏見でいがみ合ってるシーンが最低限で良かった)


人種差別の描き方はドリームでも描かれてた、当たり前のようにやってたルール的なものメイン。
バーに入ったら殴られるのもあったけど、極悪な差別主義者とかにフォーカスしてる系じゃない。

この時代の人なら善い人でも黙認してしまう、派手ではない分より根深い問題。
この土地の掟だからで大半の人は納得してしまって変えようなんて思わないやつ。

YMCAのシーン、
最近のハリウッドは人種差別とLGBT両方入れないと怒られちゃうのかな。
取って付けた感はある。


人種差別はなくなってないし日本でもあるけど、2人の友情が小さな変化を表してて、映画を通してこの変化を捉えさせてくれることは重要だなと思った。
いまだにこれくらいのいかつい偏見を持ってる人がこの映画を観てちょっと良い方に変わるかもしれないし。

観たあとケンタッキーたべた。
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