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グリーンブックのkazuかずのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
2019年アカデミー作品賞を受賞した本作、その実力は本物中の本物でした🌟🌟🌟アメリカ人種差別が根強く蔓延る1962年の実話を元にした作品です。

ガサツで無教養だが家族をこよなく愛するイタリア系用心棒リップが崇高な黒人天才ピアニスト ドクター・シャーリーに雇われ、アメリカ南部へ8週間のコンサートツアーに出るロードムービー。

ニョーヨーク〜南部のミシシッピ州、アラバマ州への道中、性格も感情も全く違う水と油の2人が、人種差別という問題に直面しながらも、お互いに無くてはならない存在になる。

人種差別という重たいテーマを扱いながら、劇中は終始笑いに包まれ、そして何よりも思いやりと優しさに溢れたヒューマニズムに心地よい時間が流れます。

名作には、事あるごとに脳裏に焼きつく名シーンがやってきます。この映画も例外でなく、旅の道中に名エピソードが満載です( ´∀`)特に雨が降りしきる中でのドクターの叫びには誰もが心に刺さるものがあるでしょう。ケンタッキーフライドチキンや石、手紙のエピソード、各地でのピアノセッションも素晴らしい。この映画、オールディーズ含め音楽も凄いんです。

主演のヴィゴ、助演(アカデミー賞受賞)のマハーシャラは文句なしの名演でした。これは2人とも主演ですよね〜。 『グリーンブック』が注目されて思い浮かんだ映画が、1989年に公開されアカデミー作品賞を受賞した『ドライビング・ミス・デイジー』。人種差別が根強いアメリカ南部での白人老女デイジーと彼女の運転手を務めるホークとの友情を描いた珠玉の名作でしたが、見終えてから本作もその系譜を汲んだ映画だなぁと改めて思いました。
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