QTaka

いちごの唄のQTakaのレビュー・感想・評価

いちごの唄(2019年製作の映画)
3.0
少年時代の淡い想い。
友情と恋と想い出と。
その関係に隠された謎が、物語の鍵になるはずなのだけど…
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なんだろう?ちょっと乗り切れなかったかな。
見終わってみると、それぞれの抱える難しい背景の重要なポイントが分かるのだけど…
普通の中学生の頃の親友との想い出の回想かと思いきや、その友人と駆け降りた坂道が、彼との別れのその現場だった。
さらに、その現場、その瞬間に、憧れの「あーちゃん」が…
この衝撃の事故に留まらない、友人とあーちゃんの関係…
幾重にもなる隠された繋がりと想い。
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物語の核心が明らかにされるのが遅すぎませんか?
そこからの話が、もう少し尺が有っても、何か有ってもよかったのでは?
いや、もう少し早く事の詳細を明かしてくれた方が楽しめたのではないかな?
心に重荷を背負ったキャラクターの、その重荷を徐々に明かしていく展開は、他にもよくある構成ではあるけども。
その重荷を明かすまでの、モヤッとした感じを演じる事は凄く難しい事だと思う。
その点、石橋静河さんは良かったと思う。
でも、その演技の絶妙さ故に、見ている私は、最大限にモヤッとさせられてしまった。
それは、この映画の構成として良かったのだろうか?
演技の妙は、一度の鑑賞では堪能しきれない映画化もしれない。
全てを理解した上で、その絶妙な表情や仕草、苦悩をもう一度確認してみれば、確かにその意味が伝わってくるのかもしれない。
そういう映画だったと思う。
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