悪のカリスマの誕生。
政治不信と貧富の格差が根強く蔓延る大都会ゴッサム・シティ。
その街でコメディアンを目指す男アーサー・フレック。
彼は病弱な母の介護をしながら、ピエロメイクの道化師として細々と生活している。
また、彼は幼い頃の怪我が原因で、緊張すると突然笑い出す発作に悩まされていた。
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」と言う母の言葉を胸に、苦しい生活から抜け出そうともがくアーサーだったが、世間は冷たかった。
街中でチンピラに襲われ、仕事仲間にも裏切られ、追い詰められた彼はある事件を起こしてしまう…
今の時代を映した心を抉られる物語だった。
コメディアンを目指す心優しい青年が、如何にして悪のカリスマとなり、同時にバットマンとの因縁の関係になったのか、その過程が丁寧に描かれていた。
練り込まれた脚本と丁寧な演出、主役のホアキン・フェニックスの確かな演技力に裏打ちされた内容には説得力があり、虚実織り混ぜたこの物語自体が『ジョーカー』を体現しているかのようだった。
観れば解る!
ハナマル!
2021/01/10