ひろ

SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARDのひろのレビュー・感想・評価

5.0
「SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD」

パンクスと呼ばれるパンク・ロックを愛してやまない人達。そんな人達に一際愛されている3ピースバンド。それがHi-STANDARDだ。1990年代に世界的なムーブメントとなっていたパンク。グリーンデイやNOFX、オフスプリングなどが巻き起こしたムーブメント。ポップパンクと呼ばれたそれは、日本でメロディック・ハードコア、略してメロコアと呼ばれた。メロコアの旗手こそハイスタンダード、ハイスタなのだ

この作品はそんなハイスタのデビュー前から現在までを追ったドキュメンタリー。しかも未公開映像と共にハイスタの3人が、驚くほど赤裸々に語る。インタビューは3人だけ。なぜならハイスタを語れるのはハイスタだけだから。ファンが崇めていたのは表面上の彼らで、知らないところで葛藤していた真実。3人共絶望を味わいながら音楽と共に生きてきた。難波さん、ケンくん、ツネくん。当時、無敵に見えていた彼らはボロボロだった。自由になるために作った「PIZZA OF DEATH RECORDS」それが結果的に自由を奪い、ハイスタの羽をもいだというのが悲しかった

「AIR JAM 2000」忘れもしないハイスタが活動休止前のLive。初めて生で聴いたハイスタに涙した。しかし、それが最後だった。このLiveの時のケンくんの状態を聴いてショックだった。そしてハイスタが世界から消えた。そして2011年。震災を機にハイスタ復活。「AIR JAM 2011」は抽選外れて行けず涙。ここでのハイスタの状況も思っていたのと違う。生々しい真実をメンバーが語る

そして16年振りの新曲「Another Starting Line」発売。しかも全くの告知無しでいきなり発売。これは衝撃と歓喜で仕事抜け出して買いに行った。形だけの再結成じゃない。ハイスタ完全復活。そして4thアルバム「THE GIFT」これのレコーディング風景が映画で観れるんだけど、もう泣ける。10代の頃の3人のまま。バラバラになったピースがまた合わさった。このツアーも行ったけど最高だった。「AIR JAM 2018」はハイスタを慕う仲間や後輩バンドの空気感が素晴らしかった

ハイスタは青春のテーマソングと言っていい。いつもハイスタを聴いていた。楽しい時も悲しい時も。彼らは無敵じゃなかった。人間だった。この映画はハイスタのイメージを変えるものかもしれない。でもそれは悪いことじゃない。人間は成長して前に進む生き物だ。ハイスタは前に進み出した。元々ハイスタは大好きだったけど、この映画を観てさらに好きになった。ハイスタ最高!STAY GOLD!

映画を観ていた人達が映画館というよりLiveハウスの雰囲気だったのでニヤニヤしてしまった
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