あきらむ

悪魔はいつもそこにのあきらむのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
4.1
幼いころに父と母を失った主人公が、義理の妹を死に追いやったクズ牧師に復讐し逃亡する話。
トムホランドがエロイなあ。。。と思いました。必死で相手を殺害しようと頑張る様子がたまらないです。そこにためらいというものはなく、ただ「殺す」という強い意志を感じる表情や仕草です。
そして、パティンソンのドクズ役は初めて見ましたが、やることの一挙手一投足がドクズで、板についています。命乞いの言葉なんて最高です。

話としては勧善懲悪&成長物語の王道ものなので、サスペンスを期待してみる感じではないです。それよりも、変態や悪人、異常者同士の戦いを見て楽しむのが最も良いかと。

幼少期の思い出の中の父は、明らかに善良な異常者です。そして、その父や主人公が敵対する人間は、善良なふりをしてこの世に蔓延る悪人。
悪人の生活も細かく描かれているのが良くて、サイコパスや冷徹とはほどとおい欲望に塗れたとても人間らしい悪人です。
一方の主人公サイド、つまり父と主人公は、ほとんど欲望といったものがなく、「そうすることしかできない」という欲望に塗れた悪人からは理解できない次元の行動原理で行動することができるため、異常な強さで悪を打倒しますし、罪を重ねた後も後悔の念というものがないのです。

欲望や保身がなく意志だけで行動できる人間は、非常にかっこいいものです。しかしそれも主人公の若さゆえにできたのだろうかと考えさせられました。もし、主人公があと十歳年を取っていたら、こんな爆発するような復讐法ではない方法で報復を行ったように思えました。