カップルが映画を創る話。
万歳！ここは愛の道！
意味深なタイトルだなと思った。タイトルがこれならハッピーエンドだろ！と思って見てハッピーエンドではあったが、｢道中｣色々ありまして。
達也監督と芽衣監督の映画監督カップルが、互いに癖のあるろくでなしで、ろくでなしであることを自覚し、互いにも自覚しあってる。
愛は互いを認め合うことだともいうけれど｢屑｣であることを認め合うと、それでも受け入れてくれる相手に依存しちゃいますよね。
弱さを見せあえる恋愛、素晴らしい！んだけど関係性が安定しない。だからといって弱いところを全く見せないでいると、何でこの人といるんだろ.......となったりしますね。私は彼らの関係性万歳！ですけど、この話の続きを考えるとしたら、共依存から通常(？)の関係性に進んでいけるといいなと思いました。また病気が再発してしまうから。
ホームビデオを撮る感覚で互いを撮影してる。互いに監督なので、センスがある。そして、敢えて｢フィクション｣感を出して、現実か創作かの境目をあやふやにしている。
作中作が登場する場面が中盤と後半にあり、どちらも大学生の撮った自主制作映画感、カメラを止めるなの前半のあの感じで撮られる。若干前衛的な部分もあり寺山修司感もあったりする。
この作品でのメタフィクション要素は、作品にリアリティを持たせるというか、こちらの日常にまで食いこんでくるような感じがする。俺たち私たちは実在するんだぞ！と。
精神が病んだ時特有の虚無顔や泣き顔も見られてよかった。俳優がやると妙にキマるけれど、達也監督と芽衣監督がやるとキマらなくて、顔面がただただ汚い。それは、漫画のような顔だなと思った。顔のパーツ一つ一つに、癖があって、人に見せるためじゃなくて、吐きそうな、泥みたいな、そんな中身を出すために動いているみたい。
カップルが、水のなかでぐちゃぐちゃになって.......というシチュエーションが個人的にめちゃ好き。絵面がどんなに汚くても、溶け合う感じが好き。
