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プライベート・ウォーのようのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
4.0
戦場記者メリー・コルヴィンを描いた作品。

監督がドキュメンタリー『ラッカは静かに虐殺されている』の監督なのね。
エンドクレジットで知ったけど、プロデュースにシャーリーズ・セロンも加わってる。

メリーコルヴィンのことを知らなくても、冒頭でシリアのホムスのシーンがあって、その後は節目ごとに「ホムスの〜〜前」ってカウントダウンのように出るわけだから、最後がどうなるかは察しがつく作り。

とりあえず主演のロザムンド・パイクが素晴らしい。
一般的に低温な印象を与える役者だと思うけど、その低温さをベースにしながら
ちょっとした表情の変化や涙などで感情が伝わってくる。
がっつりPTSDでありながら、とにかく戦場に行こうとする、留まろうとする人物を自然に演じている。
『ゴーン・ガール』以上の演技とも言えるくらい。

時折フラッシュバックがやたら細かく挿入してくるのは、混沌とした戦場または彼女の心労を表してるようでもある。
映像全体が全く安っぽくなく、戦場のシーンでは臨場感もあってよかった。

クライマックスでは、彼女のような文字どおり命がけの取材がなければ知り得ないようなことがとてつもない切実さで描かれる。
メリー・コルヴィンを称賛的に描いているけど、決して検証的視点がないわけでもなく、取材のあり方としてここまでする必要があるのかどうか……ということも考えさせる。
なので、PTSDのこともあって、彼女を讃えすぎていないバランスでもあるのもよかった。

エンドロールで流れるアニー・レノックスの主題歌もよかった。
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