おときち

ダウントン・アビーのおときちのレビュー・感想・評価

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)
3.5
「こんな生活を続けろって言うの?」
「私たちの祖先だって違ったわ。未来だって変わるはずよ」(うろ覚え)


ドラマ観たことありませんでした、というか存在すら知りませんでした。ごめんなさい。
そこで、事前にYouTubeで「映画『ダウントン・アビー』約10分でおさらいできる特別映像」をチェック。
劇場でも本編直前にパットモアさんによる人物紹介動画もあったので楽しめました。
登場人物が多いのでこの2つの動画で完璧!とはいきませんでしたが観ているうちに、名前や関係性も入ってくるので、ドラマを観たことがない方でも大丈夫かと。もちろんドラマ観てた人の方がもっともっと楽しいんだろうけどね。
ドラマ観ていない人は上記動画おすすめです。


今作の直近で観たのが『パラサイト 半地下の家族』や『わたしは、ダニエル・ブレイク』だったので、なんだこの絢爛豪華な世界は!と。
でも「地下」で仕事をする「使用人」たちを観ていると「おや?」ってなる。
「上階」は煌びやかな貴族の世界。「地下」はカントリーハウスとはいえ華やかさはなく、使用人が働く労働の場。これは格差社会を表しているのでは?


登場人物全員が主役、みたいな群像劇。人数も多く最初はなかなか名前が入らなかったけど、みんなキャラクターも強いのでジワジワと把握。ただ見た目が似ている人が多く「これは誰だっけー!」ってちょっとなったけど、それも楽しかった。


ヨークシャーにあるカントリーハウス「ダウントン・アビー」へロイヤルファミリーが宿泊する!ということを軸にコメディ、サスペンスなども交えながら様々なドラマが起こる。


ダウントン・アビーの使用人チームと王室使用人チームの意地の張り合い、楽しかった。
デイジーは口が悪くていいね!「あいつらなんでもソースべったり」とか言っちゃう。
登場人物が多いだけに含まれるテーマも相続・継承、王室制度、イギリスとアイルランドなどからLGBTQまで。意外と現代的で盛り沢山。
それらを無理矢理詰め込んだ脚本っていう感じではないので、すんなり飲み込めて楽しめた。


女性陣の服装がおしゃれ。特に帽子。素敵でした。
男性は逆に帽子を被られると「誰と誰?」ってなっちゃうw
これはまぁドラマ観てないからかもしれない。


カーソン声良すぎ。
モールズリー面白くってちょっとずりー。
トーマスおめでとう!ちゃんと文通しろよ!
パットモア&デイジー好き。もっと料理が見たかった。
王室使用人チームの執事も料理人もパッと見ただけ「キタ!」ってなる雰囲気も好き。
バイオレットがいるとピリッと空気が締まる感じも好き。
それぞれの会話もいちいち皮肉めいた小気味良いイギリスっぽい言い回しがあるのも好き。


気になるキャラクターばかりだし、好きなシーン・セリフも多かったなぁ。


アイルランド出身のトム・ブランソンが言う。
「王室は支持しないけどクローリー家は家族。政治的信条は愚かだと思うけど、愛情が勝る」
なるほど。内側の人にもこういう葛藤があるんだな、と。


Filmarksでおすすめしてもらったのですが、観に行って良かった。
いろいろあったけど、最終的には誰も傷付かない、悪人がいない優しい世界。ドラマではもっといろいろあったみたいね。


ダウントン・アビーの建築物としての美しさに田園風景。はぁ、イギリス行ってみたいなぁ。