ホイットモア大統領

麻雀放浪記2020のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

麻雀放浪記2020(2019年製作の映画)
2.5
真田広之目当てで見たオリジナル(第一作?)が相当面白くて期待していた1本。

インディーズやVシネから出てきた人たち、園子温や塚本晋也なんかは商業作品を監督するようになっても、定期的に古巣に戻る時があるじゃないですか。
白石和彌監督もその1人で、本作は『サニー/32』と同じ流れを組む作品なんじゃないかなあ。

でも、そういう実験的作品、ミニシアター作品での自由な演出や、失敗した経験は、その後の作品作りに活かしてるとも思う。つまりは先行投資。

本作もそんな感じで、全編iPhone撮影に始まり、東京オリンピック中止で戦後の日本など、オリジナル版の完成度や緊張感を期待すると肩すかしを食らうことに。
まあ竹中直人が出てるあたりでお察しだと思いますが、三池崇史作品レベルでおふざけ度が高い。

けれど、異常なテンションを発散する斎藤の坊や哲に、最強雀鬼と化すAIベッキー、オリジナルへのオマージュたっぷりな最終決戦と、見どころはしっかりと用意されてるのでそれなりに楽しめたかな。
とりわけ急に現れて作品の色を変えてしまう “チンチロリンの怪人” の恐怖は異様。だけどこれ、未来の坊や哲だと思うんですけどどうでしょう?