タスマニア

メランコリックのタスマニアのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
3.0
2021年61本目。

低予算系映画きた!
結構話題になったらしいけど、自分はスルーしてしまっていた。

物語の設定や導入はやっぱりすごく面白い!
低予算でキャストも知らない人ばっかりになると、ストーリーや設定のアイディアで勝負することになるから、自ずと「おぉ」と心惹かれる作品以外は淘汰されてしまうもんな。

主人公含めてキャラクターの会話がなんか妙にぎこちなく感じたりしたけど、却ってリアルに感じたり。
特に家族の食卓のシーンは両親のキャラクターが不思議な分、会話がシュールに感じられたけど、家族の食卓の空気ってあんな感じだった気がする。
父親も母親の全てを肯定する人間性の高さが終盤のシーンに繋がっていたり、そもそもの主人公の選択を尊重してきた背景に繋がっているんだなぁって思ったりした。

幼い頃に勉強を頑張って良い大学に行く理由として「将来の選択肢を増やすためだよ」と大人は言う。
しかし、現実は良い大学に行けば行くほど「東大まで行ってなんでバイトなんかしてるんだ?」といった感じに、職業の選択肢を社会が狭めてくるという皮肉。
別にフリーターで生きていくのも、官僚になるのも本人の自由で、自分が望んだときに「官僚になること」を選択できるようになっておくことが、良い大学に行くことのモチベーションになるはずなのに。
そんなメッセージがあるかどうかはおいといて、東大出ている主人公が銭湯で働く設定が「斬新」と受け入れられてしまうことからも、自分も含めて固定観念が蔓延っているんだな。
多分、そんな映画ではないけど笑

設定が結構血生臭い感じだけど、映像表現としてはグロさや激しさはなく、むしろ結構ほんわかしていて面白い。
突入時の銃の扱い方をレッスンしているシーンなんてめちゃくちゃ呑気。
でも、結末含めて「これでいいのだ」といえる爽快さ。

とりあえず、両親の存在が偉大。
あと、ゆりちゃんの絶妙に身近にいそうな可愛さがすごく良い。
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