シネマスナイパーF

暗数殺人のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

暗数殺人(2018年製作の映画)
-
テレビドラマみたいなテンション
役者の演技も含めて
別にこの暗数殺人がマジじゃないとかそういうわけじゃないけど、マジな韓国映画の陰鬱さはこの映画にはない
そこがいいところだと言える


チェイサーと殺人の追憶を足して、そこからじめっぽさ、暗さを抜いた感じだなと観賞中思ってましたが、パンフレットのイントロダクションでまさにこの二作品が名前に出されてて我が意を得たりって感じでしたわ
ただ、この映画でフィーチャーしてるのは殺人そのものや殺人者の存在よりも、ただひたすら正義の名のもと、良心のもと、立場を顧みず捜査を諦めない不器用な正義漢刑事その人なので、こういう明るめの作品なのは間違ってないと思う

工作のイケメン軍人が楽しそうに殺人者を演じてる
殺人者だしサイコ寄りなんだけどあんまりヤバさを感じないのは流石に楽しそうに演りすぎてるのがこっちまで伝わってきちゃってるからだな

対する刑事のキム・ユンソク
キム・ユンソク繋がりでチェイサーを引き合いに出したくなるし、実際引き合いに出すと面白い
チェイサーでは、警察側はシリアルキラーに対して無力に近く、そのため元刑事の主人公が頑張る話だった
今回は刑事が諦めずに粘る話なので、いい対比と言っていいと思う

合間合間に挟まれる殺人の再現VTR風の回想は、実際に起こったことなのかが不明だということもあり、正直盛り上げるためのサービス感が拭えない
もちろん殺人の話なんだからそういうシーンがないと盛り上がらないのは当たり前ではあるんだけど、描写としてもヌルさがあるし、なくてもいい気がするな

今年公開でいうとエクストリームジョブで強烈な印象を残した彼もまあ味は薄めですが存在感ありましたね
検事さんはとても美人で、主人公が移動した先の署長?と合わせてなんだかとても日本人に親しみのある顔でした


お互い腐れ縁を楽しんでいるような駆け引きは、陰鬱なイメージのある韓国映画とは少し印象が違って悪くなかったです