さうすぽー

運び屋のさうすぽーのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.3
自己満足点 84点

クリント・イーストウッド監督作品で、主演も務めた作品。

僕自身、イーストウッドは映画監督としての側面しかあまり知らなくて、俳優として出てる作品は「ミリオンダラー・ベイビー」しか観てないので、俳優としての彼を劇場で観るのは今回が初めてです。

なので、改めて観ると彼は俳優でありスターなんだと感じました。
確かに立派なお爺さんではありますが、周りから好かれる点がスターらしさを感じました。

話は実在した麻薬の運び屋であった老人を描いた話だと聞いていて、予告編を観た感じ重くシリアスな話なのかなと思っていたのですが、意外とそうでもなくて寧ろコミカルでクスッとするシーンも多いです。
だからこそ観ててあまり疲れなかったし、それでいて彼の家族背景や犯罪にはまっていく姿をしっかりと描いていました。

イーストウッドが演じてるお爺さんは、家族よりも仕事が大事で、尚且つ女好きだし、それでいて知り合いに勧められた怪しすぎる仕事を難なく引き受けてしまうダメなお爺さんです。
でも、困ってる人を放っておけなくて一緒にいると楽しくなるという、何か憎めないんですよね!

ブラッドリー・クーパー演じる刑事も良かったです!
クーパーは「アリー/スター誕生」では酒とドラッグに溺れるフォークシンガーを演じていたのですが、一転して今回はエリートで優秀な刑事を演じていて、やはりこの人は幅広く演じられると感じました。

またイーストウッドとクーパーとのやり取りも良いんですよね。
詳しく話すとネタバレになってしまいますが、刑事と犯罪者という関係なのに、とてもそうだとは思えない、何とも言えない印象的なシーンでした。

最初の方は少し退屈に感じてしまう部分があったり、終盤の下りで一部引っ掛かる所もありましたが、この映画は僕の心に沁みるような映画であったことは間違いはありません。
ふとした場面を思い出してうるっとさせられます。

イーストウッドの作品は数本しか観たことはありませんが、この映画を観て再び興味を持つようになりました。
まだ観てない「許されざる者」や「グラントリノ」も是非とも観てみたいです。

非常に良かったとまでは言えませんが、良い映画だと思います。
まだ観てない方も是非とも観てほしいです。