ひょう太郎だよ

運び屋のひょう太郎だよのネタバレレビュー・内容・結末

運び屋(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

巨匠クリント・イーストウッド監督作品であり久々のイーストウッド主演作のどこを切ってもイーストウッド印の作品。
久しぶりに見たイーストウッドはすっかりよぼよぼのお爺ちゃんに。
そりゃそうだよ御年89歳だもん。

この映画とにかく凄かったのは無駄なシーンが一切ない所。
シーンからシーンへの省略は結構大胆なんだけどその事での過不足がなく必要な情報はすべて詰まってるから恐れ入る。
それと映画監督としてのエゴが見えない。
「このシーン凄いだろ!」とか「ここは苦労した見せ場だぜ!」とかの“どや感”がなく必要なピースだけを的確に繋いでる感じ。
だから人によっては淡々とした印象受けるかもしれないけど個人的には実に無駄の無い研ぎ澄まされた映画だなって感じました。
イーストウッドは映画というものを極めてますね。

麻薬の運び屋が題材なんでシリアスな話かと思いきやぜんぜんそんな事なく中盤ぐらいまではコメディ寄り。
ドライブと音楽がとても心地よい楽しい内容です。
(全編に渡って音楽が素晴らしい)
後半は少しシリアスになりますがそれでも重苦しくならず犯罪映画でありながら涙し少しホッコリもしてしまいました。

この映画を観て感じたのは「人生いつでもやり直せるよ」というとても前向きなメッセージ。
年齢ではなく「いつやるか」「何をするか」が大切なんだと改めて教えられました。
なんだかイーストウッドが全人類に向けた遺言のような気がしてしまいましたよ
(長生きしてほしい)

イーストウッド作品を色々観てきましたが個人的にはグラン・トリノに並ぶ最高傑作の一つになりました。
実にいい映画だった!

ただこんなジジイがリアルに身内にいたら超迷惑だけどねw