タスマニア

殺さない彼と死なない彼女のタスマニアのレビュー・感想・評価

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
3.5
2022年89本目。

Not for me な映画っぽいので敬遠していたが、watcha のレコメンドでスコア高かったので見てみることに。
なるほど、レコメンドの精度高いなぁ。結構自分好きだわこの映画。

物語の主軸になる登場人物たちのカップリングが尊い。
「恋愛」「友愛」「愛着」といった様々な「愛情」をいい感じのテンポで描かれていて、見やすかった。
原作が4コマ漫画らしい。なるほど、どうりで単品のセリフやエピソードに力があって、ある意味全体の連続性がそんなに重要じゃないような印象の正体はそれか。
それでも、120分の映画にまとめるためのチューニングはなされているんだろうけど。

とりあえず、おじさん的には可愛い子が可愛い子に「ブス」って言葉を投げかけて、可愛い子を傷つけてる姿は演技って分かってても辛いものがあるんよ。可愛い子が自分の手首を "イカ焼き" にしてる姿も、堪えるものがあるんよ。
そんな、輝かしくも暴力的な若さと脆さに、そっと手を差し伸べる物語やキャラクターは素敵です。未来の話をしましょう。

鹿野を演じた桜井日奈子。
声がいいよね。低めの声。魅力的。

あと、とあるシーンで扉を開いて現れる森口瑤子にハッと声が出た。
この女優さんも、"癖あるしんどい母親" みたいな役も多いけど、シンプルに愛情深くて素敵な母親像としての今回の姿は涙を誘う。

鹿野と小坂のもどかしい関係ってなんか「時をかける少女」の真琴と千昭に似てるなぁ・・・なんて思ったらエンディングに奥華子流れてきて、思わず「Time waits for no one」みたいな言葉が浮かんだ。
タスマニア

タスマニア