藤原直樹

セルラー・シンドロームの藤原直樹のネタバレレビュー・内容・結末

セルラー・シンドローム(2007年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

当時タイで社会問題になっていたプライベート動画の流出をテーマに描いたタイ産スリラー映画。
「現代社会の闇を描く!」みたいな謳い文句を目にするけど、思いの外軽めの映画で重厚感はない。

今の時代面白そうな物や人がいたら皆動画撮ったりパシャパシャ写メりだすよね。
それをTwitterとかFacebookに投稿するのも今の時代普通のこと。
でもそこに潜むプライバシーという大きな問題には皆目を瞑るんだよなぁ。
そうやってSNSサイトにアップする前に少し立ち止まって考える時間が必要だと思う。
何にも考えずにアップした動画が人を傷つけることだってあるのだから。
この映画はそんなプライバシーのプの字もない現代に警鐘を鳴らす社会派スリラー!・・・だったら良かったんだけど。
まぁテンポよく話が進むし、79分とコンパクトなのでサラッと観れるかな。

さて、映画の内容だけど、、、正直なところ面白くはなかった。
主人公の友人たちは終始ラリってるようなクズばかりで、主人公だけはマトモかと思いきやコイツもやっぱりクズで(苦笑
友人が死んでも次のカットではヘラヘラしてる。
感情移入出来なかったのは言うまでもないよね。
演技もまた酷かった。
映像面は安っぽいわけではないんだけど、編集と演出が稚拙でどうもチープに感じてしまうんだよなぁ。
一応はスリラー映画なんだし、もう少し緊張感があったら良かった。
血は出るけどショッキングと言うほどでもないしね。
”面白そうな”エッセンスはあれど、それを巧く活かしきれてなくて歯がゆい。
ただ、ラストは凄く気に入ってる。
安っぽいスリラー映画と思いきや、根底にあるのはイノセントで切ないロマンスだった。
エンドロールがエンディング曲と相まって物凄く切ない。

そう言えば、最近ロシアの動画サイトか何かで日本の監視カメラの映像が流出してたらしい。
いやはや本当にプライバシーのプの字もありませんな(苦笑
藤原直樹

藤原直樹