創

キングスマン:ファースト・エージェントの創のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1914年とか言うからてっきり、ラスプーチンをやっつけてついでに第一次世界大戦回避や!!的な話だと思っていたらボーア戦争から始まるし、ちょっと期待させといて普通にフェルディナント大公は暗殺されちゃうし、ラスプーチンはラスボスじゃないし、結局ハヌッセンもマタハリも出てきただけで特にそれらしい見せ場なく終わるしちょっと拍子抜け。

史実通りじゃないとハヌッセンやマタハリが登場する意味はあまり無いからこれは続編への含みなのかな?

ラスプーチンの後だとやっぱり大抵のラスボスがしょぼくなってしまうのは、ラスプーチンが持つ悪役としてのキャラの濃さのせいで仕方ないと思うけど、
そんなのは分かっていた事なはずだからもう一捻り欲しかったと思うのは、キングスマンだからと過剰な期待をしてしまっていたのかもしれない。
前2作と同じようにもっとめちゃくちゃやってくれるのを期待していたし、ここ最近の歴史改変大傑作の例のあの人のあのお二人主演のアレがよぎってしまったからよりもったいない。

ただ、前2作を置いて1本の映画として観たらとても良かった。

多少の遊び心に留まっていたらしさも単体で観れば十二分に面白い(むしろ前2作がやり過ぎとも言うのでは?)と思うし、
おじさん2人の謎のシーンは長すぎてちょっとスベってた感もあるけど、その後のコサックバレエアクション?はやっぱり画面のインパクトが強い。

サクッとだけど丁寧に、ボーア戦争末期の雰囲気や第一次世界大戦勃発の流れやヒゲ三皇帝の関係や塹壕戦も描かれてるし、
使用人ネットワークなるなんだかちょっと新鮮な設定もその中心にいる2人のキャラもとっても魅力的だった。
コンラッドの素直で良い子でだからこそ死んでしまう感じもとても良かったし、
だからこそのオックスフォード公のチクショウ!やったる!感も良かったと思う。
ガジェットも無いし、そんなに無敵でも無いのが逆にファースト感ありありで魅力的だった気がする。

妻も息子も戦争で亡くしてしまったお金持ちが平和を願って独自の組織を立ち上げ半世紀後にはあんな風になってるなら、
例えいろんな敵との戦いが続いていたとしても完全に平和な世界になっていなくても、希望みたいなものがあって良いよね。

いつ誰がどんな風にあんないろんなもの作り始めたのかも気になるからこの続編もぜひ観てみたい。
創